2018年8月24日金曜日

スイスで鉄道・バスを使って旅行する際の荷物配送サービス

スイスは公共交通機関が整備されているので、鉄道・バスを使って国内旅行する機会も多いですが、その際の荷物について。

公共交通機関はスペースに余裕がある作りになっているので、自分で持ち運べる範囲であればスーツケースやスキーを持ち込んでも問題ありませんが、荷物が多い場合には別便で荷物を送ることができます。

いくつかのサービスがありますが、いずれも前提として「本人が公共交通機関を使って移動する際に、別便で荷物を送る」もので、本人が自家用車などで移動する場合には利用することはできません。事前に有効な切符を購入しておき、荷物預入時に提示する必要があります。

(なお以下の記述は2018年8月現在の情報です。商品構成やサービス内容はよく変わるので、最新版は SBB の公式ページ SBB Reisegepäck で確認してください)

商品種別

商品種別にかかわらず、送料は荷物1つあたり12 CHF で重量は 25kg までです。

Reisegepäck - Bahnhof zu Bahnhof

最も基本的な商品で、有人の鉄道駅ならびに主要バス停間で荷物を送ることができます。

原則として 19:00 までに駅の窓口で荷物を預けると、翌々日の9:00に指定した駅で荷物を受け取ることができます(ただし駅によって営業時間が短縮されている場合あり)。

駅で荷物を預けると預り証が発行されるので、それを持って受取駅に行きます。

Reisegepäck - Baunhof zu Tür

有人駅・バス停から指定した住所まで送ることができます。

原則として 19:00 までに駅の窓口で荷物を預けると、翌々日に配送となります。配送時間は午前(7-12時)、午後(12-18時)、夜間(18-23時)で指定可能。

送料に加え、固定で手数料が 25 CHF かかります。

Reisegepäck - Tür zu Bahnhof

指定した住所に荷物を引き取りに来てもらい、指定の有人駅・バス停まで配送してもらいます。

荷物集荷2日前の20時までに申し込みを行い、集荷日の翌々日9:00から指定した駅で荷物を受け取ることができます。集荷時間は午前(7-12時)、午後(12-18時)、夜間(18-23時)で指定可能。

送料に加え、固定で手数料が 25 CHF かかります。

Reisegepäck - Tür zu Tür

指定した住所から指定した別の住所まで配送してもらうサービスです。

荷物集荷2日前の20時までに申し込みを行い、集荷日の翌日に配送となります。集荷時間・配送時間とも午前(7-12時)、午後(12-18時)、夜間(18-23時)で指定できますが、夜間集荷と午前配送は組み合わせることができません。

送料は固定で 40 CHF の手数料がかります。

Reisegepäck Express - Tür zu Tür

急行便で指定した住所から指定した別の住所まで配送してもらうサービスです。

荷物集荷2日前の20時までに申し込みを行うと、当日の6-9時に集荷、同日18-23時に配達となります。利用できる地域に制限があり、主要都市ならびに主要スキーリゾート周辺に限られます。

送料に加え、固定で手数料が 70 CHF かかります。

競合商品

荷物は、スイスの郵便局 (Die Post) が提供する小包便 (PostPac Economy, もしくは PostPack Priority) を使っても送ることができます。

鉄道駅間で大きな荷物を送る場合には Reisegepäck - Bahnhof zur Bahnhof が確実に安いのですが、荷物が10kg 以下の場合や、駅留めではなく任意の住所に送る場合には Die Post の方が安くなることもあります。

また PostPack Economy, PostPack Priority は荷物を局に持ち込むのが前提ですが、荷物1つあたり 4.50 CHF で集荷を依頼することもできます。参考: pick@post

2017年12月7日木曜日

日本からスイスへの荷物発送

背景

海外に住んでいると、しばしば日本との間で手紙や荷物をやりとりする機会が出てきます。慣れれば大したことではないのですが、利用できるサービスの種類や手続きなどが国内便と異なり最初は戸惑ったので、情報をまとめておきます。

情報は2017年12月時点のもので、日本からスイスへの発送について解説しています。所要日数については関東近郊からの発送を想定しており、離島などでは長くなることがあります。

時間がない人向けに

郵便局に封筒に入れた文書もしくは梱包した荷物を持って行き、次の情報を局員に伝えると適切な発送手段を選択してくれます。記入が必要な書類(送付状、税関申告書、インボイスなど)を指定されるので、それに記入して送料を払えば終了です。
  • 内容物の明細と金額
    • 内容物は英語表記が必要。代表的な品目については郵便局が翻訳例を提供している。
  • 荷物の追跡、ならびに郵便事故時の補償は必要か?
    • 稀に郵便事故で送付物が紛失する可能性あるが、追跡不要とした場合には補償はない。
    • 補償が必要な場合には、補償額(内容物の金額が上限)
  • 所要日数(営業日)
    • 3日
    • 6日
    • 2週間〜2ヶ月
    • 1〜3カ月
発送に必要な書類や、損害賠償保険金額の上限などは日本郵便の国・地域別情報(国際郵便条件表)に詳細があります。

日本から食材などを取り寄せる場合、日本在住の肉親や知人に依頼して購入・転送してもらうことも可能ですが、明細の作成や郵送手段の選択などは慣れないとやや面倒です。海外への荷物転送を専門に行っている業者もあるため(御用聞キ屋転送コムなど)、それらを利用するのも手です。

2020年6月21日追記 2021年1月1日以降は手書きのラベルは使用できなくなり、郵便局が提供する国際郵便マイページサービスで内容物などの情報を入力してラベルを作成する必要があります(参考:通関電子データ送信義務化について)。

国際配送サービス概要

サービス提供事業者

日本から海外に手紙や荷物を発送する場合、利用できる手段は大きく
  1. 郵便局が提供する国際郵便
  2. 民間事業者の提供する国際輸送サービス
に分けられます。

国によって事情が異なるのですが、日本とスイスは郵便の信頼性が高いため、個人利用であれば国際郵便を使うのが安価で便利です。
民間事業者ではヤマト運輸、佐川急便、DHL、FedEx、TNT などがサービスを提供しています。しかし、いずれも継続的に発送量が見込める業務利用を想定しており、個人での利用は受け付けていない、あるいは受け付けていても割高になります。

国際郵便商品ラインアップ

国際郵便で荷物を送る場合、同じ品物でも複数の手段で送ることが可能で、場合によっては配達が遅い手段の方が送料が高くなるなど分かりにくい点があります。一度、サービスを提供する側からの視点で整理しておくと、このあたりの事情が理解しやすくなります。

国際郵便のサービスは日本の郵便局が独自に決めているのではなく、万国郵便連合 (UPU) が所管する万国郵便条約に基づいて定められています。そのうち、実体のある物の配送に関わる商品は次の3つです。
  1. 国際通常郵便
  2. 国際小包郵便
  3. 国際スピード郵便 (EMS)
原則として、文書は国際通常郵便、荷物は国際小包郵便という棲み分けです。

しかしながら国際小包郵便はある程度の分量・価格のものを想定したサービスのため、それほど嵩張らずに安いものを送るには割高になります。そこで、軽量・安価な荷物に関しては限定的に国際通常郵便でも扱えることとし、割安な送料でサービスを提供しています。

最後の国際スピード郵便 (EMS) は内容物に関わらず利用でき、配送は最優先、かつ郵便事故時の損害保険も高めに設定できるサービスとなっています。ただし利用できる国が限られており、料金も高めです。なお日本からスイスへの発送では利用可能です。

それぞれの商品について詳細を見る前に、まず、金額に使われる SDR という単位と、すべての商品に共通する国際配送の過程について見ていきます。

SDR

国際郵便では、郵便事故時の賠償金額上限などを定める際に SDR という単位を使います。1SDR が何円に相当するかは毎年見直されますが、2017年1月時点では 1SDR = 155.9674円となっています。

国際郵便の配送過程

国際郵便の配送は日本国内区間、国際区間、そして最後のスイス国内区間の3区間に分けられます。
  • 郵便物をポストに投函、もしくは郵便局で引き渡す。
    • 日本国内区間
  • 日本国内の国際交換局に到着。輸出手続きを行う。
    • 国際区間
  • スイス国内の国際交換局に到着。輸入手続きを行う。
    • スイス国内区間
  • スイス国内の住所に配達される。
原則として日本から海外に荷物を送る際には、差出人が税関に輸出申告を行い、税関による審査・検査を経て輸出許可を受ける必要があります。ただし国際郵便は個人・小口での利用が多いことを鑑み、価格が20万円以下で輸出規制のない物を送る場合には簡易な方法が認められており、必要な手続きも郵便局側が無料で行います。


なお手続き自体は郵便局側が行いますが、そのために必要となる書類の作成は差出人の仕事です。具体的には税関申告書という書類に郵便物の内容・金額等を記入して送付物に貼付します。
税関申告書には簡易版の CN22 と一般的な CN23 があり、送付方法や金額によってどちらを使うかが決まります。また送付方法によっては郵便局に用意されている送り状に差出人・宛先の情報を記入して荷物に貼付しますが、この場合は送り状に税関申告書が含まれているため、税関申告書を別途用意する必要はありません。

発送人と受取人の間で金銭のやりとりが発生する場合(通信販売など)では、税関申告書に加えてインボイスの提出も必要になります。

同様にスイス側でも国際郵便到着後には輸入手続が必要となりますが、これはスイス側の郵便局 (Die Post) が手続きを行います。通関手数料と輸入時にかかる税金(物品税など)は、郵便局員が荷物を配達する際に受取人に請求します。

国際郵便商品

これから国際通常郵便、国際小包郵便、国際スピード郵便(EMS)について詳細を見ていきますが、まずは商品内容が比較的単純な国際小包から。

国際小包郵便

国際小包郵便は一般的な物品を送るのに使える商品で、国内郵便ではゆうパックに相当します。
一個口で30kgまで送ることができ、またすべての国際小包には識別番号が割り振られ、配送状況が 跡可能です。ただし手紙や契約書といった信書に分類される文書を送ることはできません。

参考:総務省 信書について

輸送手段

国際区間では次の3つの輸送手段が提供されています。輸送手段ごとの一般的な配達所要日数(営業日)は次のとおりです。
  • 航空便 6日
  • SAL便 2週間前後
  • 船便 1〜3カ月
航空便が最も早いが値段が高く、船便が最も遅いが安い運送手段となります。SAL便は国際区間の輸送に飛行機を使いますが、貨物便の空きを利用して輸送するため、到着までの日数は安定しません。空きがあれば航空便並みの日数で届きますが、混雑時には40日かかることもあります。

スイス到着後の国内区間は、追加料金を支払うことで速達扱いとすることが可能です。

スイスに到着してからは通関手続きがスムーズにいけば、国内区間通常扱いのもので空港到着の2日営業日後に配送されます。国内区間を速達扱いとしたことはないので、その場合の所要日数は分かりません。

付加サービス

最高1,000 SDR (約16万円) を限度とする損害賠償保険をかけることができます。

国際通常郵便

商品細分

国際通常郵便は信書ならびに少量の物品を送るのに使える商品で、国内郵便だと定形・定形外郵便物に相当します。

通常郵便物は、内容物によって商品が細かく分類されます。書類や荷物を送る場合には、次のいずれかの商品を利用することになります。
  • 国際通常郵便(手紙)
  • 国際通常郵便(印刷物)
  • 国際通常郵便(小型包装物)
それぞれ送付可能なもの、サイズ、重量などに制限があります。
まず信書に相当するものは、国際通常郵便(手紙)としてのみ送ることが可能です。特定の相手に宛てた手紙、確定申告書や請求書(商品に同封する場合を除く)などは信書に分類され、印刷物や小型包装物として送ることはできません。重量の上限は2kgです。

信書以外のものは、2kg以下であれば国際通常郵便(小型包装物)として送ることができます。
また書籍やダイレクトメールなど多数に向けて作成された複製物は、国際通常郵便(小型包装物)よりも重量制限が緩やかな国際通常郵便(印刷物)という商品で送ることができます。重量の上限は5kgです。

輸送手段

国際小包と同様に、国際区間では航空便、SAL便、船便の選択肢が提供されており、またスイス到着後の国内区間では追加料金を支払うことで速達扱いとすることが可能です。

輸送手段ごとの一般的な配達所要日数(営業日)は次のとおりです。
  • 航空便 6日
  • SAL便 2週間前後
  • 船便 1〜3カ月

付加サービス

いずれの商品も基本的には郵便物の追跡はなく、郵便事故時の補償もありません。

ただし航空便、SAL便であれば追加料金を払って書留扱いとすることで追跡可能になり、6,000円を限度とした実損額が補償されます。また国際通常郵便(手紙)を航空便で送った場合のみ、追加料金を払うことで最高1,000 SDR (約155,000円) を限度とする損害賠償保険をかけることができます。

セット商品

国際通常郵便を書留で送る場合、通常は宛名を記入した上で荷物を郵便物に持ち込んで書留の手続きをしてもらいますが、次の組み合わせの場合に限ってはPCを使って自分で専用ラベルを印刷することで若干安い値段で送付できる商品が提供されています。

まとめ

内容物に応じて利用できるサービスが自動的に決まり、それに輸送手段と付加サービスを選んで最終的な発送方法を決めることになります。なお損害賠償額と重量に上限があるため、重量物を大量に送る場合や、高価な物品を発送する場合には適しません。

国際スピード郵便 (EMS)

EMSは信書を含めた書類及び物品を送ることができる急送サービスです。サービス構成はシンプルで、内容物による区別や輸送手段の選択はありません。

EMSは万国郵便条約において「物理的手段による郵便業務のうち最も迅速なもの」と定められており、国際区間は航空便、スイス国内では Swiss Express <<Mond>> という翌朝午前9時配送の郵便物として扱われます。また通関も最優先で行われます。

通関に問題がなければ、日本国内発送後3営業日で届きます。

付加サービス

標準で2万円までの損害賠償額が保険でカバーされており、追加料金を支払うことで200万円までの損害賠償額を設定可能です。

国際郵便サービスの選び方

郵便サービスを選択する際には、送る荷物の内容、所要時間、荷物の追跡が必要か、郵便事故時の補償金額など複数の要素を考慮する必要があります。

信書を送る

信書の送付に使えるのは、国際通常郵便(手紙)もしくはEMSのみです。安価な商品から順に次のようになります。実際には利用する価値がないと思われるサービスはグレーアウトしてあります。



所要日数
補償額
国際通常郵便(手紙・船便)
1〜3ヶ月
なし
国際通常郵便(手紙・航空便)
6日
なし
国際通常郵便(手紙・航空便)+書留
6日
6000円〜115,000円
国際スピード郵便
3日
2万円〜200万円

国際通常郵便(手紙・船便)は書留扱いにすることはできません。

国際通常郵便(手紙)では輸送手段として航空便と船便の輸送方法が選べますが、料金にそこまで大きな差がないので、多くの場合、国際通常郵便(手紙・航空便)とEMSの選択になると思います。

可能な限り早急に届けたい、もしくは郵便事故時に115,000円を超える補償が必要な場合にはEMS、そうでなければ国際郵便(手紙・航空便)が経済的な選択となります。

軽量の物品を送る

軽量の物品を送る場合には国際通常郵便、国際小包郵便ならびにEMSいずれも使用することが可能です。なおここでの軽量の定義は国際通常郵便を使える範囲、具体的には印刷物であれば5kg以下、それ以外の一般的な物品は2kg以下です。

利用可能な商品と付加サービスの組み合わせは次のようになります。実際には利用する価値がないと思われるサービスはグレーアウトしてあります。グレーアウトの理由は次のとおりです。
  • 国際通常郵便(船便):SAL便、航空便と送料の差は小さいが、所要日数が非常に長い。
  • 国際小包郵便:軽量な荷物を送る場合、国際小包郵便は国際通常郵便、EMSと比較して割高。補償額が6,000円以下でも十分な場合には国際通常郵便(小型包装物)もしくは国際通常郵便(印刷物)を使い、それ以上が必要な場合には EMS を利用。


所要日数
補償額
国際通常郵便(小形包装物/印刷物・船便)
1〜3ヶ月
なし
国際通常郵便(小形包装物/印刷物・SAL便)
約2週間
なし
国際通常郵便(小形包装物/印刷物・航空便)
6日
なし
国際通常郵便(小形包装物/印刷物・SAL便)+書留
国際eパケットライト
約2週間
6,000円
国際通常郵便(小形包装物/印刷物・航空便)+書留
国際eパケット
6日
6,000円
国際小包郵便(船便)
1〜3ヶ月
なし〜約115,000円
国際小包郵便(SAL便)
約2週間
なし〜約115,000円
国際小包郵便(航空便)
6日
なし〜約115,000円
EMS
3日
2万〜200万円

国際通常郵便(小型包装物・船便)ならびに国際通常郵便(印刷物・船便)は書留扱いとすることはできません。航空便、SAL便を利用する場合には書留扱いとすることが可能ですが、補償額は6,000円までで、保険料を払っての上乗せはできません。

上記に当てはまらない物品を送る

ある程度の重量(印刷物で5kg超、それ以外では2kg超)の荷物を送る場合には、国際小包郵便もしくはEMSを使用することが可能です。

商品を価格の安い順に商品を並べると、次のようになります。

所要日数
補償額
国際小包郵便(船便)
1〜3ヶ月
なし〜約115,000円
国際小包郵便(SAL便)
約2週間
なし〜約115,000円
国際小包郵便(航空便)
6日
なし〜約115,000円
EMS
3日
2万〜200万円

基本的には所要日数と必要な保障額によって商品を選ぶことになります。

また国際小包郵便(航空便)とEMSを比較すると、13kg までの荷物ではEMSの方が安くなります。サービスはEMSの方が早くかつ補償も手厚いため、この範囲では国際小包郵便(航空便)ではなくEMSを使うのがおすすめです。

通関手続き

海外からスイスに到着した郵便物はスイスの国際交換局に送られて通関手続きが行われ、税額ならびに手数料が決められます。

税額

関税がない通常の物品の場合、付加価値税 (MwSt) のみが課税されます。税率は軽減税率適用品(書籍・食料品)に対しては 2.5%、その他一般物品は8%です。なお送料に対しても税率8% で課税されます。

計算の結果、税額が 5 CHF に満たない場合には免税となります。

手数料

免税となった場合には無料ですが、課税となった場合には一律 16 CHF と商品価格の 3% の合計額、もしくは 70 CHF のいずれか安いほうが手数料として課されます。
また荷物の添付書類に不備があり税額の決定に追加の調査が必要となった場合などは、さらに追加で手数料が請求されます。

支払い

郵便の配達時に、商品と引換に現金で税金と手数料を支払います。郵便局員はお釣りを用意していないことも多いですが、うちの郵便局では、お釣りを後日ポストに投函して返金でした。
郵便局窓口で受け取る場合には、現金以外に PostFinance Card (スイスのゆうちょ銀行キャッシュカード)もしくはスマートフォンでの無線決済サービス Twint で支払うことも可能です。

2017年11月6日月曜日

スイス公共交通機関 子供向け定期券

スイスで公共交通機関を利用する場合、6歳以上になると切符・定期券の購入が必要です。普通に買うとかなり高額ですが、特定の人(両親など)と頻繁に移動する場合には、切符に代えて安価な子供向け定期券を買うことができます。

通常の定期券と異なり、この子供向け定期券は単体では効力を持ちません。

Junior-Karte
  • 子供が両親と一緒に公共交通機関を利用する場合、両親が有効な切符・定期券を持っていれば、Junior Karte を持った子供は同一区間を無料で利用できる。
Kinder-Mitfahrkarte
  • 子供が定期券に記名された人と一緒に公共交通機関を利用する場合、記名者が有効な切符・定期券を持っていれば、Kinder-Mitfahrkarte を持った子供は同一区間を無料で利用できる。
Junior-Karte には子供と両親の名前が記入されており、2枚発行されます。1枚を父親、もう1枚を母親が持って使います。Kinder-Mitfahrkarte は記名式のため、たとえばその子が祖父のみ、もしくは祖母のみと公共交通機関を利用する場合、祖父とその孫、祖母とその孫の組み合わせで1枚ずつ定期券が必要となります。

いずれも1年間有効で、Junior-Karte は2枚セットで30CHF、Kinder-Mitfahrkarteは1枚30CHFですが、期間限定で2018年3月までは半額の15CHFで購入できます。


先日、チューリッヒ中央駅で Junior-Karte を購入しましたが、窓口に行き、子供の年齢を確認できる書類(パスポート、滞在許可証など)を提示、両親の名前と住所を伝えるとその場で発行されました。また有効期限開始日を後日とすることも可能なので、6歳の誕生日を迎える前に購入することも可能です。
なお Junior-Karte の券面上には子供の氏名、住所、生年月日、両親の氏名が印刷されており、そこに両親が署名します。なお大人向けの定期券などと異なり、本人の写真などは必要ありません。

2017年2月12日日曜日

スイス在住者が日本に一時帰国する際の医療保険

なぜ一時帰国時の医療保険が問題なのか

日本にいると気にする必要がないけれど、海外在住になると真剣に考えないといけないのが一時帰国時の医療保険です。

日本居住者向け医療保険制度

日本に住んでいる場合、何らかの公的医療保険に加入することが義務づけられており、保険料以外に支払う必要がある金額は非常に低額に抑えられています(自己負担額は現役世代で三割で、また上限額も設定されています)。

一方で海外在住者が一時帰国する場合には原則として住民登録はできず、したがって住民向けの公的医療保険に加入することもできません。実際には担当者の裁量で短期滞在であっても住民登録ならびに国民健康保険への加入を認めることもあるそうですが、これは住民税を払わずに住民向けのサービスを受けるという話になるので、今後、対応が厳しくなることはあっても緩和されることはないと思います。

日本の医療機関からの請求額

日本の医療機関では、全ての医療行為に国が定める診療報酬点数が設定されています。たとえば初めて病院の外来を訪れると初診料282点、薬を処方すると68点で合計350点といった具合です。

患者が日本の公的医療保険に加入している場合、医療機関では1点あたり10円として、その一部(現役世代は3割)を患者本人に、残りを公的医療保険に請求します。上の例であれば総額3,500円のうち3割に相当する1,050円を患者本人が病院に支払い、残りの2,450円は病院から公的医療保険に請求します。

患者が日本の公的医療保険に加入していない場合、次の3点が異なります。
  1. 診療報酬点数1点あたり10円以上を請求しても構わない。
  2. 消費税がかかる。
  3. 医療費の全額を患者に請求する。
公的医療保険では診療点数1点あたり10円、労災保険では12円と法で定められていますが、自由診療の場合には単価を医療機関が自由に設定することができます。1点10円から25円程度に設定している医療機関が多いようです。

仮に1点20円に設定されている場合、体調を崩して医師に見てもらって薬を処方してもったというケースで350点×20円/点=7,000円に消費税8%を加えた7,560円かかることになります。薬代も含めると総額は1万円程度。

この程度なら払えなくはないですが、何度も通院が必要になると負担も大きくなりますし、万が一入院が必要となると、たとえば比較的簡単な盲腸(虫垂炎)の手術でも合計30,000点程度になるため65万円前後の出費が想定されます。可能性が低いとはいえ、万が一、現実のものとなると大きな金銭的負担が発生するため、何らかの保険をかけるのが妥当です。

スイス在住者が利用できる保険制度

基本医療保険 (KVG)

スイスも日本と同様に皆保険制度をとっており、スイス在住者は基本医療保険 (KVG) に加入することが義務付けられています。日本と異なり保険は民間保険会社によって提供されていますが、保険対象の医療行為と単価は国が定めており、また健康状態によらず同一の条件で加入できることが保障されています。

スイスの基本医療保険に加入している場合「海外でのケガや病気に対する緊急を要する治療」も保険金支払いの対象となり、費用もスイス国内で同等の治療行為を受けたときの2倍まではカバーされます。スイスは日本と比較して医療費が高いため、これで不足するケースは少ないと思います。

一方、基本医療保険で対応できないケースもあります。
  • スイスと日本では承認されている治療方法や薬が完全に一致しているわけではない。したがって日本で標準的な治療を受け、薬を処方されたとしても、スイスの基本医療保険では保険対象外の可能性がある。
  • 基本医療保険が対象とするのは、あくまで海外での発病や受傷なので、スイス出国前からの既往症は対象外。定期的な通院が必要な慢性病を抱えている場合や、出国前に怪我をして継続しての通院が必要な場合も保険対象外となる。
  • 緊急の治療のみが対象となるため、緊急ではない場合には原則としてスイスに帰国して治療を受けることになる。(ある程度長期間の滞在だと帰国予定を繰り上げないといけなくなる可能性がある)
単なる海外旅行であればスイス国内で病気や怪我をしたら取りやめるという選択肢も十分に現実的ですが、日本人が一時帰国する場合に、それで取りやめとなると厳しいものがあります。

追加医療保険 (VVG)

スイスの保険会社は、基本医療保険 (KVG) に加えて、それではカバーされないリスクに対応する追加医療保険 (VVG) も販売しています。


追加医療保険は各社内容が様々ですが、たとえば大手医療保険会社グループ CSS が販売する Ambulantversicherung myFlex Premium を契約すると、海外における緊急時以外の通院 (Wahlbehandlungen) に関しても保険金支払いの対象となります。

海外旅行保険

海外旅行に関わるリスクをカバーする保険として海外旅行保険 (Reiseversicherung) がありますが、これも基本医療保険と同様に海外での発病や受傷が対象です。基本医療保険と比べると保険でカバーされる金額の上限や治療内容は広いですが、一時帰国での利用には適しているとは言い難い内容です。

将来展望

スイスで医療保険を提供している企業が、基本医療保険 (KVG) で海外における治療をカバーすべきだという提言をしています。スイス国内の医療サービスが高いため、隣国での治療を認めたほうが保険会社としても負担が少なくなる由。

参考: Kranke sollen sich im Ausland behandeln lassen

実際に法改正される目処は立っていませんが、これが実現すると助かりますね。

2017年2月2日木曜日

日本非居住者の RSU (制限付き株式) にかかる所得税申告

日本で勤務している間に RSU (Restricted Strock Unit; 制限付き株式) の権利付与を受け、その後で海外転出した場合、RSU が売却可能になった時点で日本への所得税納税が必要になります。先日はじめて自分で納税手続きを行ったので、その覚書です。

この記事は、以下の条件に合致する人にのみ役立つ内容です。
  • 日本勤務時に、日本以外の企業(勤務先の親会社など)から RSU を付与された。
  • その後に海外に移住し、移住後に株式の付与を受けた。
  • 日本と居住国の間に、課税に関する特別な取り決めがない。
なおあくまで私の事例なので、個別の事例に関しては税務署や国際税務に強い税理士にご相談下さい。(なお税務署に問い合わせても、こういう稀な事例に詳しい人がいなくて大変でした)

RSU (制限付き株式) とは

RSU とは従業員に対する報酬の一種で、自社株を将来の一定期間にわたって定期的に従業員に与えるものです。たとえば「これから4年間、毎年6月末と12月末に2株ずつ与えます」というように会社が従業員に約束します。
会社の業績が好調で株価が上がれば従業員の収入も連動して増え、また途中で退社すると、その時点で付与されていない株の受給権利が失われるので、会社にとっては従業員の意欲向上と離職率低下の二つの効果が期待できます。

RSU にかかる税金

日本の税制上は RSU も単なる給与所得と見なされるので、日本居住者であれば確定申告時に給与総額に付与された株式を含めて所得税を計算するだけです。これが、非居住者になると話が少しややこしくなります。

国税庁 タックスアンサー No.2878 国内源泉所得の範囲

「非居住者及び外国法人については、日本国内で稼得した「国内源泉所得」のみが課税対象とされます。「国内源泉所得」には次のようなものがあります。
(中略)

(10) 給与、賞与、人的役務の提供に対する報酬のうち国内において行う勤務、人的役務の提供に基因するもの、公的年金、退職手当等のうち居住者期間に行った勤務等に基因するもの 」

ポイントは2つ。
  1. 非居住者であっても、「国内源泉所得」については日本の所得税課税対象となる。
  2. 給与所得のうち、国内において行う勤務に起因するもののみが国内源泉所得。
具体例として、2000年1月1日に「今年の12月末日に1株与えます」と会社から権利を付与され、その年の4月30日に海外転出したケースを考えます。この場合、何が国内源泉所得なのでしょうか?
RSU は、1月1日に権利が付与されてから12月31日に株の現物が付与されるまでの勤務に対する給与と見なされます。海外転出後の勤務は「国内において行う勤務」ではないため、この期間の勤務に起因する所得は国外源泉所得と見なされます。したがって12月31日時点で付与された株の付与時点での時価を、1月1日から出国直前の4月29日までを国内源泉所得、4月30日から12月31日までを国外源泉所得として日数で按分します。

仮に12月31日時点の株価が36.6万円だったとすると、居住者であった期間が120/366なので、12万円が国内源泉所得、残りの24.6万円は国外源泉所得となります。

居住者期間の国外源泉所得

なお居住者であっても、その間に短期海外赴任・出張していた場合、その間の勤務は「国内において行う勤務」ではないため、この期間に起因する所得も国外源泉所得となります。

例として、1月1日から2月28日まで海外出張しており3月1日に帰国。その後4月30日に海外転出したケースを考えます。この場合、居住者かつ日本国内で勤務していた3月1日から4月29日までの60日間に起因する所得のみが国内源泉所得とみなされ、6万円が国内源泉所得、残りの30.6万円は国外源泉所得となります。

なお、これは業務上の理由があって海外に滞在した期間であり、単に有給休暇で海外旅行をしたというような場合には当てはまりません。

納税手続き

非居住者に対して国内において国内源泉所得の支払いをするものは、支払いの際に所得税を源泉徴収して納付する義務があります(国税庁 タックスアンサー No.1885 非居住者等に対する源泉徴収の仕組み)。したがって RSU が支給される場合でも、支払元が日本企業であれば企業の側で税額を計算して源泉徴収されるため、受け取った側で手続きをする必要はありません。自分で納税手続きが必要なのは、支払元が外国企業の場合です。

納税に際しては、まず1月1日から12月31日までの全ての株式付与に対して、個々に
  • 株式付与時での株価
  • 株式付与時の為替レート(株が日本円建てでない場合)
  • 権利付与から株式付与までの期間と、その内「国内において行う勤務」に該当する日数
を調べ、国内源泉所得の金額を計算します。件数が多いと、これが一番手間がかかります。

次に「所得税及び復興特別所得税の準確定申告書」を国税庁のサイトにある申告書・申告書付表と税額計算書等 一覧(申告所得税)のページからダウンロードし、指示に従って記入します。指示に従って記入すると、納税額が分かるようになっています。

最後に記入済みの準確定申告書を管轄税務署に届け出るとともに、税金の納付を行います。

海外から申告する場合、原則として日本にいる納税管理人が手続きを行うことになっていますが、海外から記入済みの準確定申告書を管轄税務署に郵送することで届け出ることも可能です。この際、
  • 記入済みの準確定申告書
  • 記入済みの準確定申告書のコピー
  • 返信先住所を記入済みの返信用封筒
  • 返信用切手
を同封すると、税務署で準確定申告書の写しに収受受付印を押した上で、控えを返送してくれます。海外にいて日本の切手が入手できない場合には国際返信切手券を購入して同封します。

税金の納付は、日本にある個人口座からの振替で行いました。事前に税務署に預貯金口座振替依頼書を提出しておくことで、当該口座からの引き落としとなります。(参考: 申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税(個人事業者)の振替納税手続

2016年12月27日火曜日

スイス在住者が日本一時帰国時に買い物をする際の手続き

海外に住んでいると、生活する上で日本の書籍や食料品などが欲しくなります。日本に一時帰国する機会がある場合、そこで買い込んで帰国時に預け入れ手荷物としてスイスに持ち込むのが安上がりですが、その際の手続について。

免税での購入

日本でものを買うと消費税がかかりますが、これは日本で居住する人間の行政サービスを補うためのコストということで、海外居住者は支払いを免除されます。

免税の条件

観光庁 Japan Tax Free Shop - 免税店とは?

ただし全ての商品を免税で購入できるわけではなく、いくつか条件があります。詳細は上記の観光庁の Web サイトにありますが、特に重要なのは次の点です。

  1. 入国時にパスポートに日本入国スタンプを押印してもらう。
  2. 免税措置に対応した店舗で購入する。
  3. 消耗品、一般物品とも5,000円以上を同日中に一店舗で購入する。
  4. 免税で購入した物品は、確実に海外に持ち出す。
免税での購入は非居住者に限られているため、日本国パスポートの保持者は海外に居住しており、現在は一時帰国中であることを証明する必要があります。一般に販売店ではパスポートに押印された入国スタンプの日付を見て居住性の確認を行うため、日本入国時には必ず審査官のいるゲートを通過して入国スタンプを押印してもらってください。自動化ゲートを利用すると押印が省略されるため、免税での購入ができなくなります。

免税対応の店舗は、家電量販店、百貨店などに加え、最近は大手コンビニやスーパーでも増えています。特にスーパーだとイオンは全店舗で免税に対応しているため、私は良く食料品や子供服を滞在地近くのイオンでまとめ買いしています。後述しますが、免税手続きは対面で行われるため、残念ながら通信販売は対象外です。

物品は消耗品(食料品、医薬品など)と一般物品(家電製品、服飾品など)に分けられ、それぞれのカテゴリで 5,000 円以上購入した場合のみ免税手続きが可能です。食料品3,000円 + 家電製品 3,000 円だと免税できません。

また免税で購入した物品は、日本出国に際して海外に持ち出す必要があります。国内で使用する消耗品や、国内に残していく一般物品には消費税を支払う必要があります。

免税の手続き

店舗によって、購入時に消費税抜きの価格で支払いを行う場合と、一旦、消費税込みの額を支払った上で消費税額相当分を払い戻す場合があります。

いずれの場合も入国スタンプのあるパスポートを持参する必要があり、また店舗によっては海外の滞在許可証の提示が要求されます。

購入時に消費税抜きの価格で支払いを行う場合

大手だとユニクロとマツキヨがこの方式を採用しています。

購入する物品とパスポートを持って免税対応のレジに並び、海外居住のため免税で購入したい旨を申請します。店員がパスポートを確認の上で免税の手続きを行い、パスポートに免税で商品を販売した記録票をホチキスなどで留めます。

消費税相当額を後で払い戻す場合

購入の手続きは課税の場合と同様です。

買い物終了後に、店内にある免税カウンターに行き、パスポート、レシートと購入した物品を提示します。店員がパスポートとレシートを確認の上で免税の手続きを行い、パスポートに免税で商品を販売した記録表をホチキスなどで留めます。この際に、消耗品は国内で使えないように専用の袋に封印されます。

その後、現金で消費税相当額から手数料(店舗によって無料から1.1%程度)を差し引いた金額が払い戻されます。購入がクレジットカード払いであっても必ず現金で払われます。

なおクレジットカードで支払った場合にはクレジットカードの提示を求められる場合もあるため、単一名義のカードで払っておくのが確実です。家族で一緒に買物に行く際など、夫と妻のカードでバラバラに払うと合算できなくなる可能性があるため、どちらかのカードでまとめて払っておく方がおすすめです。

空港での手続き

空港の出国審査場の直前に、小さな税関のブースがあります。そこに購入した物品を見せるとともに記録票が貼り付けられたパスポートを提出し、物品が輸出されたと確認の上で記録表を税関で回収してもらいます。

なお、よほど高額な商品でなければ物品の確認は省略されます。食料品や衣料品などはかさばるため、普通は機内に持ち込まずスーツケースやダンボールに入れて預け入れ手荷物にすると思います。こうすると税関まで持っていけないため税関職員に商品を提示できませんが、パスポートの提示だけで大丈夫です。

免税購入の得失

消費税免税で購入すると消費税分だけ安く購入できるわけですが、一方で、デメリットもあります。

たとえば大手家電量販店で購入する場合、通常はポイント還元がありますが、免税で購入する場合にはポイント加算対象外となるのが一般的です。またオンライン通販専門業者は免税非対応ですが、そちらで買ったほうが消費税を支払っても安上がりになる場合もあります。

輸入手続き

禁制品

スイスには、日本からの肉や種子の持ち込みに制限があります。

食料品に関しては調理済みの缶詰やカレーのレトルトパックなどであれば大丈夫ですが、ハムや生肉などは原則として持ち込めません。種子に関しては日本人だとコメを持ち込みたいところだと思いますが、玄米や精米などの発芽能力がない状態であれば大丈夫なようです。

輸入関税の支払い

海外で購入した物品をスイスに持ち込む場合、免税限度額を超える物品については輸入時に税金を支払う必要があります。すべての物品に付加価値税 (MwSt, Mehrwertsteuer) が課税され、また酒類やタバコなど一部物品については追加で個別に税が課されます。

付加価値税額の計算

付加価値税の免税限度額は1人300CHFで、それを超える場合には輸入品全額に対して付加価値税が課されます。

税率は食料品、医薬品、書籍、雑誌などの軽減税率適用品は 2.5%、それ以外は 8.0% で、いずれも消費税抜きの金額を元に輸入当日の為替レートで計算されます。仮に通常税率適用の衣料品を500CHF、軽減税率適用の食料品を200CHF輸入する場合、付加価値税額は 500CHF × 8.0% + 200CHF x 2.5% で 45 CHF となります。

税金の計算ならびに支払手続きは、空港で荷物を受け取った直後にある税関の窓口で行います。通常は緑色の申告なしのレーンを通過すると思いますが、そうではなく赤色の申告ありのレーンに向かい申告となります。

特に書式の指定はないのですが、私は軽減税率適用品・通常税率適用品を分けた上で、次の項目を一覧にした書類を作って税関に提出しています。
  • Laden (購入店舗)
  • Kategorie (商品分類)
  • Artikel (物品)
  • Preis ohne MwSt (消費税抜き金額, 日本円建て)

税関職員が免税枠と当日の為替レートを計算の上で、課税額を計算してくれます。この際に
  • 荷物に肉はあるか? (Gibt es einen Fleisch darin?) 
  • (商用ではなく)個人で消費するのか? (Verbrauchen Sie dies privat?)
などと質問される可能性があります。

なお家族で旅行している場合、税関職員の方で個々人の免税限度額を考慮してくれます。たとえば上と同じ商品を親と子ども2人連れが持ち込んだ場合、子どもが免税限度額上限の衣料品300CHFを持ち込んで親が残りを持ち込んだと仮定して、残りの衣料品 200CHF と食料品 200CHF にのみ課税されます。

税金は現金以外にクレジットカードでも支払い可能です。

書類作成に関する Tips ですが、税関職員としては、軽減税率適用品の合計額と通常税率適用品の合計額が分かれば十分なようです。混ぜて書くと一律 8% で計算されるので分けましょう。また私は念のために領収書や納品書など金額・店名が入ったもののの原本もすぐに出せる状態で用意していますが、今のところ提示を要求されたことはありません。

金額のフォーマットはスイス式にして通貨を明示しておくと不要な混乱を避けられます。日本だと金額 3 桁ごとの区切りにカンマ (,) を使いますがスイスだとアポストロフィ(') を使い、また日本円を示す¥記号には馴染みがないため JPY と書いておきます。

空港から自宅への荷物搬送

家族連れで手荷物許容量上限の荷物を持ってくると、空港から自宅まで一度に持ち帰れない量になることがあります。

その場合、空港内の Die Post から自宅あてに発送することが可能です。またスイスインターナショナルエアラインズ利用時に限定されますが、成田空港で預け入れた荷物を自宅まで直接配送する SBB: Door-to-door flight luggage service もあります。

自家用車、もしくはカーシェアリングを利用するのであれば、空港内のコインロッカーもしくは有人手荷物預かり所にひとまず荷物を預けておき、後日、引き取りに来る方法もあります。

2016年8月19日金曜日

定期券保有者がチューリッヒ近郊の相互直通運転路線を利用する際に必要となる切符

スイスの都市では、公共機関の運賃はゾーン制になっています。運行エリアを複数のゾーン(区画)に分けて、経路上に幾つの区画が含まれるかで運賃が決まります。たとえばチューリッヒ州だと、市内は Zone 110 で南に行くと 140 (チューリッヒ湖東岸) や 150 (チューリッヒ湖西岸) になります。

参考: チューリッヒ交通組合 区画マップ

定期券もゾーン単位で発行されるのですが、定期券所有者が定期券でカバーされていない隣接するゾーンに出かける場合には、通常のチケットの代わりに定期券と合わせて使える Anschlussbillette (ゾーン延長チケット) を買うことができます。たとえばチューリッヒ市内の Zone 110 で有効な定期券を持っている人が隣の Zone 150 に出かける場合、Zone 150 の通常チケットを買う代わりに 1 区間延長チケットを購入して定期券と合わせて使えます。(そのほうが安い)

通常はこれだけで特に複雑なことはないのですが、これがチューリッヒ交通組合が管轄しているエリアから、他のエリアまで相互直通運転で行くと、話がややこしくなります。

Z-Pass Anchulussbillette
Sie haben einen Z-Pass und wollen in einem der beteiligten Verbünde weiterfahren? Dann brauchen Sie einen regulären Fahrausweis dieses Verbundes ab der nahtlos an Ihren Z-Pass angrenzenden Zone. 
Ausnahme: Das gilt nicht, wenn das Verkehrsmittel im Verbund der Weiterfahrt innerhalb des Gültigkeitsbereichs Ihres Z-Passes nicht hält (z. B. bei einem Schnellzug ohne Halt, siehe Beispiel). In diesem Fall benötigen Sie einen Fahrausweis ab dem letzten Halteort.
定期券を持っていて、相互直通運転区間で定期券有効区画を超えて乗り越しをしたいですか? その場合、相互直通運転に参加している組合の、定期券区画に隣接する区画からの通常の切符が必要です。
例外: この規則は、相互直通運転される列車・バスが、定期券の有効範囲内で停車しない場合には適用されません(途中停車しない快速列車など、例を参照)。このような場合には、最後の停車箇所からの切符が必要です。
まず相互直通運転では、定期券所有者用の区間延長チケットはなく、定期券有効範囲外をカバーするだけの通常のチケットを買うことになります。

例えば私はチューリッヒ市内 (Zone 110) とそのすぐ南 (Zone 150) で有効な定期券を持っているのですが、これでチューリッヒ中央駅 (Zone 110) からツーク駅 (Zone 610) に各駅停車の列車で向かう場合、Zone 110, 150 を除いた区間 Zone 151, 610, 623, 624 の 4 区間分の通常チケットを買うことになります。

ただし第二段落に例外 (Ausnahme) があり、各駅停車でない場合には「定期券が有効な最後の停車箇所からの切符が必要」となります。
実際チューリッヒ中央駅からツーク駅に向かう列車には、各駅停車の S24, 途中でタルヴィル (Zone 150) に停車する IR, 途中停車駅なしの ICN/EC があります。


IR に乗車する場合、最初のチューリッヒ中央駅〜タルヴィル間は定期券でカバーされますが、Zone 150, 151 境界の駅には停車しないため、タルヴィル〜ツーク間の切符が必要になります。Zone 150 の定期券があるにも関わらず、この場合は Zone 150 を含んだ 5 区間分のチケット (Zone 150, 151, 610, 623, 624) を買うことになります。

ICN/EC はタルヴィルも停車しないため、全区間、すなわち Zone 110, 150, 151, 610 ,623, 624 の 7 区間分のチケットが必要になります。なお Zone 110 は範囲が広いため運賃計算時には 2 区画分として計算されます。

ドイツ語補足

移転します

移転先:  https://blog2.issei.org/