2019年4月14日日曜日

ドイツ語 telc B1 受験

スイス定住許可 (Niederlassungsbewilligung) 申請の準備として、ドイツ語の資格検定試験を受けてきました。

チューリッヒ州在住の日本人は5年間連続して滞在し、かつ一定の条件を満たすと定住許可を申請できますが、その条件の一つが語学力。州が認めるドイツ語検定試験で中級程度 (CEFR B1 レベル) のドイツ語能力を証明する必要があります。私は今年の末でスイス滞在5年になるので、そこで滞在資格を現在の初期滞在許可 (Aufenthaltsbewilligung) から定住許可に切り替えようと考えています。

チューリッヒ州が認める検定試験は何種類かあり、私が受験したのはドイツの公益法人 telc が各地のドイツ語学校に委託して行っている試験です。
これは実施箇所が多く試験料も比較的安いのですが、手続きに時間がかかります。申込締切は試験日の1ヶ月以上前、試験結果の確定・証明書の発行には5〜6週間かかります。また受験の申込みには telc は関知せず、受験者が語学学校に直接申し込む形になります。したがって、語学学校を探すところから始めて証明書を入手するまでに3ヶ月は見込んでおく必要があります。

テスト内容は開示禁止ということで触れませんが、形式に関してはtelc が公開している模擬試験そのままでした。たとえばリスニング問題では1問目は1度しか聞けないが、2問目と3問目は2度放送されるといった点まで同じなので、事前に模擬試験を解いておくと実際の試験の際に問題文を読む手間が省けます。

なお telc の試験は費用が一律ではなく、語学学校が独自に設定できます。チューリッヒ州では 240 CHF 前後が一般的なところ、ドイツだと 120 EUR 程度に設定している学校が多く、交通費を考えてもドイツで受験したほうが安価です。

追記
受験後、約6週間後に試験結果が郵送されてきました。無事合格。

2019年4月3日水曜日

子どもと日本語

外国で子どもを育てていると、子どもに日本語をどこまで勉強させるべきか、また自分はどこまで現地語を勉強するべきかを意識させられます。

私が住んでいるスイス・チューリッヒ州では、現地の人はドイツ語の方言であるスイスドイツ語 (Schweizerdeutsch) を話し、書き言葉や教育の現場では標準ドイツ語 (Hochdeutsch) が使われ、またドイツ語を母語としない人とは英語でやり取りすることが多いです。
子どもが小さく親と過ごす時間が長い間は親の母語である日本語が強くなり、親との会話や日本語を話す子ども同士の会話は日本語になります。しかし初等教育が始まると、日本語よりもスイスドイツ語に触れる時間の方が多くなり、また学習も標準ドイツ語で行われるために、限られた日常生活の場面でのみ使用される日本語よりもドイツ語の方が次第に強くなってきます。家庭でも兄弟同士が現地語で話し始めたり、親への返事もドイツ語の単語が混ざったり。

この状況下で日本語を維持するためには、親も子どももそれなりの時間と労力を費やす必要がありますが、現地校での生活が忙しくなってくるに従い徐々に疑問が湧いてきます。

日本語の学習に時間を割くより、現地語を母国語とする子どもと比べると相対的に弱くなりがちな現地語の習得に時間を割くべきではないか?
日本語習得のために投資をすると決めたのであれば、何を目標に、どのように日本語を学ぶべきなのか?

このような疑問に対して、第二言語習得・バイリンガル教育の専門家の立場から過去の研究成果と理論をコンパクトにまとめ、言語形成期の子どもを持つ親向けのアドバイスとして紹介しているのが「言葉と教育 海外で子どもを育てている保護者のみなさまへ」。

大人が外国語を学ぶ場合と異なり、子どもが言語を学ぶ際には単語そのものの意味(熱いとはどういこと?)も学習し、またその言語を使って、より高度な概念や論理的思考力を組み立てていく必要があります。その際に親が自信をもって使える言葉で会話することは、子供の学習を助け、また子供の理解の程度を細かく把握できることに繋がります。
加えて親との意思疎通がスムーズに行えることは精神衛生上も重要で、ここでも親の母語を使えることは大きなアドバンテージになります。子どもが大きくなってくると、言葉の表面的な意味だけでなく、そこに込められたニュアンスや裏の意味も理解する必要がありますが、これは母語でないと誤解が生じがち。

子育てや教育に関しては実体験に基づく話を耳にする機会も多いですが、本を読んでいると状況は千差万別なことに気づきます。子どもの年齢、両親の母語、日本への帰国の可能性、また現地校におけるサポートの有無など、様々な要因によって適切な対処方法は変わってくる。海外で子育てを行う人には、ぜひ読んで欲しい一冊。

同じ著者による、より広範な研究成果をまとめた書籍が「完全改訂版 バイリンガル教育の方法」。こちらは言語形成期の子どもがいる海外在住者だけでなく、日本における子どもの外国語教育や外国人児童の受け入れなどもカバーし、またアドバイスの背景にあるデータや研究成果にも詳しく触れています。

2019年4月1日月曜日

チューリッヒ市の移動観覧車


毎年春になると、チューリッヒ湖に面した広場ビュルクリプラッツ (Bürkliplatz) に移動観覧車がやってきます。午後から深夜までの営業で、夜になると支柱に備え付けられた LED が賑やか。4月末になるとビュルクリプラッツから姿を消して、また別の街に行ってしまいます。

今日はたまたま子供が市内に出てきていたので、会社帰りに合流して一緒に乗ってきました。

チューリッヒのレジャー施設は、恒久的なものではなく移動式のものも多いです。チューリッヒは、一見、美しいけど小さくて退屈そうな街だと感じますが、一年を通して住んでみると意外と変化に富んでいます。

SNSやめました

Google+のサービスが2019年4月2日に停止されるのに伴い、SNS のアカウントを全て消すことにしました。正確に言うと Facebook は数年前にアカウントを削除済みで、Twitter などいくつか他の SNS を Google+ 終了後の移行先として検討したものの、どれも私の生活パターンには合わないということで使用しないことにしました。

今後は、不特定多数に向けた文章はこちらに書きます。

思い返すと、大学生時代には Web 日記と称して公開で日記を書いていました。当時は FreeBSD というオペレーティングシステムを使っていたため、その環境でアプリケーションをインストールしたり設定する際の覚書(なかなか一筋縄でいかない場合も多かった)や、読んだ本の感想などを書き連ねていた記憶があります。

SNS 時代を経て、昔に戻る感じですね。

移転します

移転先:  https://blog2.issei.org/