日本語
子供の日本語の宿題を手伝っていて、日時を表す日本語の表現は意外と複雑な事に気づきました。今を基準として、それより2単位前、1単位前、1単位後、2単位後でそれぞれ特別な名前がついています。
たとえば「月」と「週」だと今を表すのは「今月」「今週」ですが、1つ次は「来月」「来週」で1つ前は「先月」「先週」と、それぞれ決まった文字が頭につきます。表にすると、この通り。
単位 | -2 | -1 | 0 | +1 | +2 |
---|---|---|---|---|---|
週 | 先々 | 先 | 今 | 来 | 再来 |
月 | 先々 | 先 | 今 | 来 | 再来 |
ここまでは、規則的ですね。
しかし次に「年」を考えると、「今年」「来年」「再来年」は同じルールだけど、昔のほうは「去年」「一昨年」と、ルールに当てはまらなくなる。発音も「週」「月」は常に「しゅう」「げつ」だったのに対して、「年」は「ねん」と「とし」になる場合がある。
単位 | -2 | -1 | 0 | +1 | +2 |
---|---|---|---|---|---|
週 | 先々 せんせんしゅう | 先 せんしゅう | 今 こんしゅう | 来 らいしゅう | 再来 さらいしゅう |
月 | 先々 せんせんげつ | 先 せんげつ | 今 こんげつ | 来 らいげつ | 再来 さらいげつ |
年 | 一昨 おととし | 去 きょねん | 今 ことし | 来 らいねん | 再来 さらいねん |
さらにひどいのが「日」で、頭につく文字も他と異なり、読みも特殊。
-2 だけは「一昨日(おととい)」「一昨年(おととし)」で共通しています。大辞泉によると「一昨日(おととい)」は「遠つ日(おとつひ)」、「一昨年」は「遠年(おちとし)」の音変化らしいので、元からあった言葉に、後から漢字表記だけ当てはめたんでしょうね。
注意が必要なのが「先日」。多くのケースで「先」は -1 を意味しますが、「先日」は特殊で数日前を意味します。
また「日」に関してのみ +3, +4 も特別な名前がついています。私の故郷だと+3日は「しあさって」で +4日は「やなさって」ですが、地方によっては逆になったり異なる呼び方をする場合もあるので、地元の人と話すとき以外は使わないほうが無難。
最後に「世紀」も追加。過去は他とルールが異なり「前」を使い、さらに +1 は「来世紀」なのに +2 で「再来世紀」にならないという特殊ケース。一般には「前」を使うと、現在ではなくなにか別の基点が設定されることが多いですが(例:試験の「前日」)、世紀だけは現在基準でも「前」を使います。
注意が必要なのが「先日」。多くのケースで「先」は -1 を意味しますが、「先日」は特殊で数日前を意味します。
単位 | -2 | -1 | 0 | +1 | +2 |
---|---|---|---|---|---|
日 | 一昨 おととい | 昨 きのう | 今 きょう | 明 あした | 明後 あさって |
週 | 先々 せんせんしゅう | 先 せんしゅう | 今 こんしゅう | 来 らいしゅう | 再来 さらいしゅう |
月 | 先々 せんせんげつ | 先 せんげつ | 今 こんげつ | 来 らいげつ | 再来 さらいげつ |
年 | 一昨 おととし | 去 きょねん | 今 ことし | 来 らいねん | 再来 さらいねん |
また「日」に関してのみ +3, +4 も特別な名前がついています。私の故郷だと+3日は「しあさって」で +4日は「やなさって」ですが、地方によっては逆になったり異なる呼び方をする場合もあるので、地元の人と話すとき以外は使わないほうが無難。
最後に「世紀」も追加。過去は他とルールが異なり「前」を使い、さらに +1 は「来世紀」なのに +2 で「再来世紀」にならないという特殊ケース。一般には「前」を使うと、現在ではなくなにか別の基点が設定されることが多いですが(例:試験の「前日」)、世紀だけは現在基準でも「前」を使います。
単位 | -n | -2 | -1 | 0 | +1 | +2 |
---|---|---|---|---|---|---|
日 | 先 せんじつ | 一昨 おととい | 昨 きのう | 今 きょう | 明 あした | 明後 あさって |
週 | 先々 せんせんしゅう | 先 せんしゅう | 今 こんしゅう | 来 らいしゅう | 再来 さらいしゅう | |
月 | 先々 せんせんげつ | 先 せんげつ | 今 こんげつ | 来 らいげつ | 再来 さらいげつ | |
年 | 一昨 おととし | 去 きょねん | 今 ことし | 来 らいねん | 再来 さらいねん | |
世紀 | 前々 ぜんぜんせいき | 前 ぜんせいき | 今 こんせいき | 来 らいせいき |
ドイツ語
ドイツ語だと日に関しては特別な名前がついていますが、それ以外は「次」とか「前」を意味する形容詞をつけるだけで、「週」「月」「年」「世紀」すべてに同じ形容詞が使えます。
日
- -2 vorgestern
- -1 gestern
- 0 heute
- +1 morgen
- +2 übergestern
週、月、年、世紀
- -1: letzt, vergangen, vorig
- +1: nächst, kommend, folgend
たとえば来週なら nächst (+1) と Woche (週) を組み合わせて nächste Woche、先週なら letzt と組み合わせて letzte Woche という具合。(ドイツ語では形容詞の形が次にくる単語や文章中での役割によって若干変わるので、この場合は -e がついてます)
letzt と nächst が一般的ですが、他の単語も使えます。
-1
letzt と nächst が一般的ですが、他の単語も使えます。
-1
- vergangen: 動詞 vergehen の Partizip II 「過ぎ去った」
- vorig: 形容詞「直前の」
+1
- kommend: 動詞 kommen の Partizip I 「来たる(べき)」
- folgend: 形容詞「次の」
動詞を形容詞的に使うには Partizip(分詞)にしますが、-1 は過去の話なので Partizip II になり、+1 は未来の話なので Partizip I になります。
英語
英語、昨日・今日・明日のみ特別な名前がついていて、一昨日や明後日は「昨日の一日前」「明日の一日後」と表します。
日
- -2 the day before yesterday
- -1 yesterday
- 0 today
- +1 tomorrow
- +2 the day after tomorrow
週、月、年、世紀
- -1 last, past, previous
- +1 next, comming, following
例えば先週は last と week (週) で last week、来週なら next と組み合わせて next week が一般的。
ドイツ語と対応する他の単語も使えます。英語だとドイツ語の Parizip I が present particle, Partizip II が past particle に対応するので、ドイツ語の場合と同じように並べると下記の通り。
-1
ドイツ語と対応する他の単語も使えます。英語だとドイツ語の Parizip I が present particle, Partizip II が past particle に対応するので、ドイツ語の場合と同じように並べると下記の通り。
-1
- past: 動詞 pass の past particle「過ぎ去った」
- previous: 形容詞「直前の」
+1
- comming: 動詞 come の present particle 「来たる(べき)」
- following: 形容詞「次の」
こうして見ると、英語が一番簡単ですね。