2019年11月1日金曜日

チューリッヒ州で自動車の所有にかかる税金

スイス連邦チューリッヒ州で自動車を登録しナンバープレートを受け取っていると、車種(自家用車、貨物自動車、オートバイなど)、排気量と車両総重量に応じて税金が課されます。

日本の自動車税と自動車重量税に相当し、基本的に大きな車ほど税額が大きくなるのは同じですが、チューリッヒでは高級車が割高になるように設定されています。

参考

以下のチャートは、2020年の税額を 1 CHF = 110 JPY の為替レートで描いたものです。

自動車税


日本では低排気量の小型車でも最低29,500円で、また排気量が増えても税額の上昇はなだらかなのに対して、チューリッヒでは排気量1,200cc未満の小型車は CHF 69.00(約7,600円)と低く抑えられているのに対して、排気量が大きくなると急激に税額が増えます。

特に排気量2,500ccに大きなギャップがあり、この先は税金がぐっと高くなります。今だと排気量の目安はコンパクトカーで1,500cc、ファミリーカーで2,000cc、大人4人が乗って高速道路を走る場合でも2,500ccあれば十分なので、その上のクラスになると高級車・高性能スポーツカーです(ターボエンジンの場合にはさらに小排気量で十分です)。

日本と同様にエコカーには減税がありますが、基準が厳しく、通常のエンジンを搭載した車両では達成困難です。電気自動車もしくはプラグインハイブリッド車向け。

自動車重量税

自動車税と同様に、日本では重量が増えるに従ってなだらかに税額が上がっていくのに対し、チューリッヒは車両総重量 2,200kg を超えると急激に税額が増えます。

高級車は同じサイズの車でも重くなる傾向があります。大人4人が乗って快適に移動できるクラスの車だと、たとえばマツダのアテンザワゴン XD Lパッケージ (4WD) で1,965kgですが、高級車の BMW 530d xDrive だと 2,530kg になります。

車両総重量 2,200kg は定員5名以下の乗用車というカテゴリで、大衆車と高級車を区切る目安ですね。

納税方法

新車購入時には、年末までの税金を支払います。自動車を登録しナンバープレートを受け取ると、後日、州の交通局から請求書が送られてきます。

自動車を既に保有している場合、1月3日時点での保有者が1年分の税金を支払う義務があります。前年の10月末〜11月頭にかけて、その時点での保有者に対して請求書が送られてきます。

e-Bill という電子請求書システムに登録しておくと交通局からの請求書がオンラインバンキングシステムに直接届き、システム上で承認すると、1月3日付けで振込を行うように送金予約がされます。

Abgabe, Steuer それとも Gebühr?

ドイツ語では税金は Steuer ですが(例:所得税 Einkommensteuer, 消費税: Mehrwertsteuer)、チューリッヒ州では自動車税・自動車重量税は Steuer ではなく Abgabe、特にこの場合は Verkehersabgabe と呼びます。

Steuer と Abgabe の違いですが、ドイツ語では租税公課全般を Abgabe と呼び、その中でも特に国・地方自治体に納める税金のみを Steuer と呼びます。
自動車税は州交通局 (Strassenverkehrsamt) に納めるので Steuer でも良さそうなものですが、 Verkehersabgabe と呼ばれています。一方で、船舶の所有にかかる税金は Schiffssteuer (船 Schiff + 税 Steuer) です。

なお州交通局に支払う租税公課でも、運転免許証の発行など一度きりの特定の作業への対価は手数料 (Gebühr) と呼びます。Gebühr は国や自治体に限らず、企業などが提供するサービスに対しても普通に使われます。

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