2016年8月19日金曜日

定期券保有者がチューリッヒ近郊の相互直通運転路線を利用する際に必要となる切符

スイスの都市では、公共機関の運賃はゾーン制になっています。運行エリアを複数のゾーン(区画)に分けて、経路上に幾つの区画が含まれるかで運賃が決まります。たとえばチューリッヒ州だと、市内は Zone 110 で南に行くと 140 (チューリッヒ湖東岸) や 150 (チューリッヒ湖西岸) になります。

参考: チューリッヒ交通組合 区画マップ

定期券もゾーン単位で発行されるのですが、定期券所有者が定期券でカバーされていない隣接するゾーンに出かける場合には、通常のチケットの代わりに定期券と合わせて使える Anschlussbillette (ゾーン延長チケット) を買うことができます。たとえばチューリッヒ市内の Zone 110 で有効な定期券を持っている人が隣の Zone 150 に出かける場合、Zone 150 の通常チケットを買う代わりに 1 区間延長チケットを購入して定期券と合わせて使えます。(そのほうが安い)

通常はこれだけで特に複雑なことはないのですが、これがチューリッヒ交通組合が管轄しているエリアから、他のエリアまで相互直通運転で行くと、話がややこしくなります。

Z-Pass Anchulussbillette
Sie haben einen Z-Pass und wollen in einem der beteiligten Verbünde weiterfahren? Dann brauchen Sie einen regulären Fahrausweis dieses Verbundes ab der nahtlos an Ihren Z-Pass angrenzenden Zone. 
Ausnahme: Das gilt nicht, wenn das Verkehrsmittel im Verbund der Weiterfahrt innerhalb des Gültigkeitsbereichs Ihres Z-Passes nicht hält (z. B. bei einem Schnellzug ohne Halt, siehe Beispiel). In diesem Fall benötigen Sie einen Fahrausweis ab dem letzten Halteort.
定期券を持っていて、相互直通運転区間で定期券有効区画を超えて乗り越しをしたいですか? その場合、相互直通運転に参加している組合の、定期券区画に隣接する区画からの通常の切符が必要です。
例外: この規則は、相互直通運転される列車・バスが、定期券の有効範囲内で停車しない場合には適用されません(途中停車しない快速列車など、例を参照)。このような場合には、最後の停車箇所からの切符が必要です。
まず相互直通運転では、定期券所有者用の区間延長チケットはなく、定期券有効範囲外をカバーするだけの通常のチケットを買うことになります。

例えば私はチューリッヒ市内 (Zone 110) とそのすぐ南 (Zone 150) で有効な定期券を持っているのですが、これでチューリッヒ中央駅 (Zone 110) からツーク駅 (Zone 610) に各駅停車の列車で向かう場合、Zone 110, 150 を除いた区間 Zone 151, 610, 623, 624 の 4 区間分の通常チケットを買うことになります。

ただし第二段落に例外 (Ausnahme) があり、各駅停車でない場合には「定期券が有効な最後の停車箇所からの切符が必要」となります。
実際チューリッヒ中央駅からツーク駅に向かう列車には、各駅停車の S24, 途中でタルヴィル (Zone 150) に停車する IR, 途中停車駅なしの ICN/EC があります。


IR に乗車する場合、最初のチューリッヒ中央駅〜タルヴィル間は定期券でカバーされますが、Zone 150, 151 境界の駅には停車しないため、タルヴィル〜ツーク間の切符が必要になります。Zone 150 の定期券があるにも関わらず、この場合は Zone 150 を含んだ 5 区間分のチケット (Zone 150, 151, 610, 623, 624) を買うことになります。

ICN/EC はタルヴィルも停車しないため、全区間、すなわち Zone 110, 150, 151, 610 ,623, 624 の 7 区間分のチケットが必要になります。なお Zone 110 は範囲が広いため運賃計算時には 2 区画分として計算されます。

ドイツ語補足

2016年3月14日月曜日

チューリッヒ近郊スキー場事情

スイスのスキー場事情について、チューリッヒ近郊を中心に。

スイスでの冬の楽しみといえばスキー場です。ゲレンデでのスキー・スノーボードはもちろんですが、クロスカントリースキーやソリ、ハイキングのコースも用意されており、スキーやスノーボードをしない人でも楽しめます。

スイスのスキー場は世界的にも有名な滞在型リゾートから、日帰り利用も多い地元の人向けの場所まで様々。
 前者はある程度の期間滞在することが想定されており、冬のシーズンにはホテルでは最低宿泊日数が設定されていることも多いです。チューリッヒからだとアクセスに時間がかかりますが、風光明媚なところが多く、また街には多くのレストラン・ホテルなどがあり、長期でも飽きることなく快適な滞在を楽しめます。
一方、後者には日帰りで来る人もいれば、近くのホテルやアパートを借りて連日来る人もいます。スイスの義務教育過程では新春にスキー休暇が1週間ほど設定されており、それに合わせて子連れで来ている人も多いです。なおスキー休暇の日程は全国一律ではなく場所によって異なり、一斉休暇でスキー場が混雑しすぎないように配慮されています。

ここでは滞在型リゾートではなく、主にチューリッヒから日帰りでアクセスできる距離にあるスキー場について書きます。なお、スキー場内にある施設やゲレンデマップの見方については滞在型リゾートでも変わらないので参考になると思います。

スキー場へのアクセス

スイスは公共交通機関が発達しており、鉄道・バスでスキー場に行くことも可能です。週末になるとスキーブーツを履いて電車に乗っている人もよく見かけます。ただしスキー場はどうしても山がちなところにあり幹線からは離れるため、車があったほうがアクセスは楽です。
なお滞在型リゾートだと、逆に車よりも公共交通機関の方がアクセスが容易だったり、街全体が環境保護のために自動車乗り入れ禁止の所もあります。

チューリッヒ自体はそれほど標高が高くなく雪も積もらないためスキー場はありませんが、車で1時間半以内でアクセスできるスキー場だけでも選択肢は豊富にあります。
私は主に Meiringen-Hasliberg を利用しています。ここはスキー・スノーボード用のゲレンデに加えてソリ用の長距離コースも隣接しているため、まだスキーをしない小さな子供とソリ滑りするのに便利なのと、リフトを使わない子供用の短距離スキーコースがあり、スキーを始めたばかりの子供と一緒に滑れるためです。

車でスキー場に行く場合、駐車場はメインのスキーコースと隣接していないのが一般的です。駐車場はスキーコースよりも数百メートル標高が低い町の中にあり、そこに停めてからロープウェイなどでスキー場に向かいます(ただし、ハイシーズンには駐車場まで滑って降りることが可能な場合もあります)。Meiringen-Hasliberg を例にとると、駐車場は Twing, Reuti もしくは Meiringen にあり、そこからロープウェイで Käserstatt と Bidmi という拠点に向かいます。
こうすると駐車場は比較的標高が低くなるため、駐車場までの道が平坦となり積雪量も少なくなります。Meiringen-Hasliberg では駐車場までの道は普段は路面には雪が全く無い状態で、降雪時にも頻繁に除雪が行われるため、少なくとも今年は路面にうっすら雪が積もる程度でした。スタッドレスタイヤを履いていればチェーン不要で、四輪駆動車でなくとも簡単に駐車場まで行くことが可能です。

駐車場にはいくつかのタイプがあります。
  1. 入場ゲートで自動発券機からチケットを受け取り、出場時には事前に自動精算機で料金を払った後、出場ゲートの機械に精算済みチケットを通す。
  2. 駐車場内にパーキングチケット発券機が設置されており、駐車後に利用時間に応じた料金を投入してパーキングチケットを発券、それを車内フロントグラスから見える位置に置いておく。
  3. 駐車すると係員が来るので、そこで料金を支払う。
パーキングチケット発券機はコインしか受け付けずお釣りも出ない事が多いので、事前にコインを用意しておく必要があります。発券機に利用時間と金額の対応表が書いてあるので、必要な時間分だけコインを投入して発券ボタンを押します。

なお繁忙期で駐車場が満車となった場合、係員の案内に従って路上駐車を行うこともあります。駐車後も対面通行できるだけの道幅を確保するためにガードレールギリギリに寄せることが要求されるため、助手席の人を先に下ろしてから停めることになります。

Meiringen-Hasliberg では Käserstatt と Bidmi という 2 つの拠点がありますが、利用する駐車場によって直接アクセスできる拠点が異なります。異なる拠点に移動したい場合には、拠点からスキーリフトで上がって中級コースを滑って移動するか、あるいは有料のバスを使うことになります。

チケットの買い方

スキーもしくはスノーボードでゲレンデを利用する場合には、指定された期間ロープウェイやリフトを無制限に乗れるパスを購入します。

パスの情報は無線ICカードに格納され、リフトなどの入口付近に設置されたゲートに近づけることで通過可能になります(正確にはICチップには固有の番号が割り振られているだけで、その中には情報は書き込まれません。スキー場のゲートを管理するシステムの方にICチップの番号と有効期限が記録されます)。

パスの有効期限は半日券 (8時から13時まで、もしくは12時から17時まで)、1日券に加えて2日券、3日券など連続した日程で利用可能なパスや、連続した6日間の内4日間を選んで利用できるパスなどが販売されています。スキー場でパスを購入すると5スイスフラン程度の小額の保証金と引き換えにICカードが貸し出され、返却時に保証金が払い戻されます。
また複数スキー場で使える汎用のICカードがあり、それを持っている場合には、事前にオンラインサイト ski.ticketcorner.ch でパスを購入して自分のICカードに登録しておくことが可能です。当日窓口で並ぶ手間が省けて便利。

ソリやハイキングで利用する場合には、一回券やソリ・徒歩専用のパスを購入します。スキー、スノーボード用のチケットと比べるとやや安価で、かつ Halbtax Abo(スイスの公共交通機関全般で使える割引カード)を持っていると割引が適用されます。

スキー場内施設

レンタルショップ

スキー、スノーボードなどの用品をレンタルすることができます。ウェアは取り扱っておらず、スキーであれば板、シューズ、ポールの三点、スノーボードであればボードとシューズの二点のみの取り扱いが一般的。またソリコースが併設されているスキー場ではソリもレンタル可能です。

私はいつも事前予約無しで当日申し込みですが、今までのところ借りられなかったことはありません。クロスカントリースキーは取り扱いがない場合も多く、また場所によっては幼児用のサイズを取り扱っていない場合もあるようです。レンタルにはクレジットカードが必要で、これで利用者登録を行います。支払いはクレジットカードが使えるところと、現金のみの場合とあり。

レンタルショップは駐車場の近くにある場合と、駐車場からロープウェイなどで登った拠点エリアにある場合があります。専用のチケット売り場がない場合には、レンタルショップがリフト券などの販売窓口も兼ねています。

レストラン

セルフサービス式のところと、店員がオーダーを取りに来るところとあります。同じ敷地内で区画を分けて営業していることもあり、セルフサービスで購入したものをオーダーを取りに来る方の座席に持ち込まないようにと注意する看板 (Wir bedienen Sie, 直訳すると「私達があなたにサービスします」) が出ていることがあります。

レストランは拠点となる場所以外にも、さらにスキーリフトで上がった場所やゲレンデのコース中にあったりします。

ピクニックエリア

レッスンには定期的に開催されているグループレッスンと、受講者からの申込みに応じて開催されるものがあります。たとえば Meiringen-Hasliberg では毎週日曜日に初めてスキーをする幼児向けの90分コースがあり、月曜から金曜まで幼児・子供向けのレベル別グループレッスンがあります。大人、ならびに週末は原則として個人レッスンになります。

ゲレンデでのスキー、スノーボードに加えてクロスカントリースキーやスノーハイキングのレッスンが提供されていることもあります。

リフト

スキー場内を移動するための手段ですが、日本だとスキー・スノーボード板をつけたままイスに座るタイプのリフトが主流だと思いますが、スイスではそれに加えて、板を完全に外して乗り込むロープウェイ、またTバーリフトというお尻に引っ掛けて引っ張ってもらいつつ山を滑って上がるタイプのものも多くあります。

小さな子供ならびに初心者向けのコースには、スキーを履いたまま簡単に立って乗れるマジックカーペットと呼ばれるベルトコンベアや、ロープにつかまって山を滑って上がるロープリフトが設置されていることもあります。ロープリフトはけっこう腕が疲れます。

Tバーリフトとロープリフトでは移動中も自分のスキー・スノーボード板で滑っている必要があり、やや慣れが必要です。たまに移動中に転倒してしまう人がいますが(私も初めてTバーリフトを使ったときに誤って体重を掛けて転びました)、その場合には後続の人が進行方向をコントロールして避けて通ります。避けて通れずに多重衝突になると、運行を一時的に停めます。

ゲレンデマップの見方

スイスではゲレンデマップ (Pistenplan) とゲレンデ上の案内板は、全国的に統一されたルールに従って表記されています (ゲレンデマップの例)。
  • 青 - 初級者向けコース (最大斜度25% = 14度未満)
  • 赤 - 中級者向けコース (最大斜度40% = 22度未満)
  • 黒 - 上級者向けコース (最大斜度40%以上)
  • 紫 - ソリコース
  • 赤紫 - ハイキングコース
(斜度については Wikipedia の Schwierigkeitsgrade (Alpen) より)

各コースには番号が振られており、ゲレンデ上の分岐点に設けられている案内板には色、番号と行き先の名前が記述されています。またコースの端を示すポールにも同じ色が付けられています。

2016年1月28日木曜日

チューリッヒ近郊の日本語補習校

チューリッヒ日本語教室とツーク日本語学校を見学してきました。

いずれも、日本語を母国語としつつ現地校(ドイツ語)に通う児童向けに日本語と日本文化を教えるもので、州政府教育庁から Unterricht in heimatlicher Sprache und Kultur (継承語と継承文化授業)として認可を受けています。

 参考:チューリッヒ州政府による継承語と継承文化授業に関する解説 日本語PDFあり

水曜日午後に開講されており、授業は週に80分から90分程度。加えて宿題が出ます。現地校で受ける教育が主、それに対する補習校という位置づけです。受講すると選択科目として「日本語」を履修したという扱いになり、小学校からは現地校の成績表にも記載されるとのこと。

どちらの学校も目標とするところは近いですが運営体制や方針には差があるので、Web ページなどで情報を集めると共に実際に見学に行って教員と話してみることが望ましいです。

なお、両校とも日本の学校教育法が規定する学校、あるいはそれに準ずる教育を行う施設として日本の文部科学省から認可を受けているわけではないので、履修して単位を取得しても日本における卒業資格とはみなされません。
たとえば、日本の高校に入学するには日本の文部科学省が認める中学校相当の教育課程を修了する必要がありますが、ツーク日本語学校の中等部過程を修了しても、これは認められません。もっとも、補習校程度の学習時間で日本の教育指導要綱で定められた学習内容(理系科目はともかく、日本地理、日本史、公民、古典、漢語など)をこなすのは難しいため、たとえ制度的に認められたとしても、日本の学校で学んだ生徒・児童と同じ土俵で競うのは非現実的ですけど。

最初から一定期間で帰国して日本の学校に入れることが想定される場合は、現地校+日本語補習校ではなく、日本の学習指導要領に従った教育を行っており、日本で有効な卒業資格を得られる日本人学校全日制過程に通わせることになります。チューリッヒ州だとウスター市にチューリッヒ日本人学校があります。この場合のデメリットは、現地社会への統合、ならびに現地での進学が難しくなること。
一方、スイスに長期間在住する想定で、日本語能力を伸ばし日本文化に関する理解を深めさせたい場合には、現地校に通わせつつ日本語補習校に通わせることになります。現地校だけの場合と比べると授業と宿題が増えるため両親と子供の負担が増えますが、サッカーや楽器などの習い事をしてると思えば似たようなものでしょう。

補習校
全日制

2015年12月29日火曜日

2016年 スイス居住者のマイレージサービス選び

仕事やプライベートで飛行機に乗る機会がそれなりにあるので、航空会社の FFP (Frequent Flyer Program, マイレージサービス) は関心事。今年までは全日空 (ANA) の ANA マイレージクラブを利用してきましたが、スイスへの移住に伴い、来年から見直しを考えています。

ANA マイレージクラブは日本在住だと使い勝手が良いのですが、これで上級会員になるための条件として「ANA自社運航便で暦年に25,000ステータスマイルを獲得すること」というのが最近追加され、スイス在住で特に日本出張が多く見込まれるわけではない身には達成が難しくなりました。
具体的にどの程度のハードルかというと、毎年スイスから日本に2回ビジネスクラスで往復するか、エコノミークラス正規割引運賃だと3回往復する必要があります。

他社の FFP を調べたところ、仕事で頻繁に飛ぶ、それこそ隔月でビジネスクラスで米国やアジアに出張という状況なら、スイスインターナショナルエアラインズの Miles & More に入るのが良さそうです。なにしろチューリッヒ空港を拠点とする航空会社ですし。
しかし、そこまでは頻繁に飛ばない、あるいはエコノミークラスの利用も多いとなると Miles & More では上級会員 (Sanator, 年間100,000ステータスマイル必要) まで到達できないので、ターキッシュエアラインズ(トルコ航空)の Mile & Smiles、エジプト航空の Egypt Air Plus、もしくはアシアナ航空の Asiana Club が現実的。

一時期、簡単にスターアライアンスゴールド資格が取れると話題になっていたエーゲ航空は、自社運航便を利用しない場合にはハードルが上がったようです。

Miles & Smiles
  • 上級会員資名: Elite
  • 初回条件: 1年間に40,000ステータスマイル
  • 有効期間: 2年間
  • 更新条件: 1年間25,000ステータスマイル、もしくは2年間で37,500ステータスマイル
  • 欧州発日本行ビジネスクラス特典航空券に必要なマイル: 90,000
Egypt Air Plus
  • 上級会員資格名: Golden
  • 初回条件: 30,000ステータスマイルを獲得するとSilverステータスとなり(期間制限なし)、その後、2年間で30,000ステータスマイルを獲得
  • 有効期間: 2年間
  • 更新条件: 2年間で30,000ステータスマイル
  • 欧州発日本行ビジネスクラス特典航空券に必要なマイル: 120,000
Asiana Club
  • 上級会員資格名: ダイヤモンド
  • 初回条件: 2年間に40,000ステータスマイル
  • 有効期間: 2年間
  • 更新条件: 2年間に40,000ステータスマイル
  • 欧州発日本行ビジネスクラス特典航空券に必要なマイル: 120,000

初回条件は Asiana Club が楽ですが、その後の資格維持や貯めたマイルを特典航空券に変えることを考えると Miles & Smiles が良さそうです。

資格維持に関して、数字だけ見ると Asiana Club が2年間で40,000に対して Mile & Smiles が2年間に37,500と大差ないように見えますが、同じ航空券で比較すると Asiana Club はマイルの加算レートがやや悪いので、実際には差が開きます。
たとえばスイスインターナショナルエアラインズのビジネスクラス正規割引運賃だとトルコ航空・エジプト航空は運行距離の150% 積算されるに対して、アシアナ航空は 125% 積算。安めのエコノミークラス正規割引運賃だと 75% 対 50% となり、それぞれ 25% 差がつきます。

また、トルコ航空はスターアライアンス各社の上級会員資格からのステータスマッチが可能らしいので、ANA ダイアモンドメンバーからのステータスマッチを申し込んでみようと思います。普通は共食いになるのを避けるため、同一アライアンスからのステータスマッチは認めないのですが、良いんですかね。

2015年12月18日金曜日

非居住者にとっての国民年金加入の損得

日本人在外居住者が、日本の国民年金に任意加入することに関する話。

日本にいると国籍を問わず日本の年金制度への加入は義務ですが、完全に日本を離れて国外在住となると、日本人であっても日本の年金制度への加入は任意となります。原則として、居住地の社会保障制度に加入してそちらで対応して下さい、ということです。

私はスイス現地法人で直接雇用されているため、日本の年金制度に加入する義務はない、ただし国民年金には希望すれば任意で加入可能という状態ですが、さて加入するべきかどうかということで検討してみました。

任意加入となると、純粋に金融商品として投資する価値があるか否かという視点で国民年金を見ることになります。貯蓄・投資に回せる資金が手元にある場合に、その使い道として
  • 国民年金に加入して保険料を支払う
  • スイスの厚生年金 (Pillar 2) に積み立てる
  • スイスの個人型確定拠出年金 (Pillar 3a) に積み立てる
  • 貯金する
  • 株式市場で運用する
  • 民間の年金保険に加入する
などの選択肢があり、どこに資金を回すのが最も得かという話になるわけです。

内部収益率法

金融商品の損得を計算する方法として IRR (内部収益率法) があります。ざっくり言えば、その金融商品が金利何%に相当するかを求めて判断材料とします。

たとえば手元に100万円あるとして、これを金利1%で銀行に1年間預けると101万円になります。これと比較して、たとえば100万円を預けると5年目に50万円、10年目に55万円もらえる債券はお得でしょうか?
一見すると100万円預けて105万円もらえるので得な気がしますが、実際には100万円預金しておくと毎年利子がもらえます。利子もそのまま預金しておくことにすると、10年後には約110万4,600円ほどになります。つまり債券を買うより預金しておいたほうがマシな選択肢だったわけです。

逆に、もし預金金利が0.64%未満であれば、債券を買ったほうが得になります。この 0.64% という数字が内部収益率です。手で計算しようとすると大変ですが、スプレッドシートを使えば一瞬で、Excel でも Google SpreadSheet でも IRR という組み込み関数があるので、毎年の支出・収入を入力して、その範囲に関数を適用するだけです。

注:債券には発行元が破産するなどして償還されないリスクがあり、売買手数料もかかるため、実際には預金よりも高い内部収益率でないと割に合いません。

国民年金の内部収益率(在外居住者)

国民年金は20歳から60歳まで毎年保険料を納めることで、65歳から死亡するまで定額の年金を受け取るという金融商品です。インフレや人口動態の変化に対応するための仕組みが入っており実際の年金支給額を計算するには複雑な計算が必要になりますが、簡単のために保険料・受給額とも現在の数値で固定して、男性は80歳、女性は85歳まで生きると想定します。
  • 20歳から40年間、毎年202,800円ずつ保険料を支払う
  • 65歳から平均寿命まで毎年788,892円ずつの年金を受け取る
この条件で計算すると、国民年金の内部収益率は男性で 1.15%, 女性で 1.98% となります。女性のほうが数字が良いのは、保険料は同一にも関わらず平均して5年間ほど長生きするためです。仮に年金財政が逼迫して年金支給開始年齢が引き上げられると、数字は悪化します。
  • 65歳から支給開始 男性  1.15% 女性 1.98%
  • 67歳から支給開始 男性  0.69% 女性 1.66%
  • 70歳から支給開始 男性 -0.08% 女性 1.15%
年金支給開始年齢が67歳程度まで引き上げられるのは、個人的には十分に想定される事態かなと思っています。

長期にわたって資金が固定され、かつ想定内部収益率が1% 未満となると、個人的には魅力的な投資対象とは言いがたいという判断になりました。

国民年金の内部収益率(日本居住者)

なお国民年金の損得は、日本に住んでいる場合には話が変わってきます。そもそも日本に住んでいる場合には年金制度への加入は義務ですが、ひとまずそれは置いておいて、純粋に金融商品として魅力的かどうかという観点で検討してみます。

日本在住の場合、収入から必要経費等を除いた所得に対して所得税と住民税が課されますが、この「必要経費等」に国民年金への拠出金も含まれます。
仮に所得税と住民税を合わせた税率が30%とすると、年金保険料202,800円を払うことで税金の支払いが60,840円少なくなるわけです。この差額分を保険料から相殺して考えると、
  • 20歳から40年間、毎年141,960円ずつ保険料を支払う
  • 65歳から平均寿命まで毎年788,892円ずつの年金を受け取る
となり、内部収益率は次のように変わります。
  • 65歳から支給開始 男性  2.20% 女性 2.95%
  • 67歳から支給開始 男性  1.73% 女性 2.60%
  • 70歳から支給開始 男性  0.93% 女性 2.06%
また国民年金に加入していると、年金受給開始前であっても、病気や怪我をして障害が残った場合には程度に応じて生涯にわたって障害基礎年金が支払われます。

男性だと年金自体の想定内部収益率は1%台になりますが、生涯にわたって年金が支払われるため予想外に長生きした場合のリスクに備えられること、障害基礎年金がついていることなどを考えると、純粋に金融商品として見た場合でも悪くない選択肢だと思います。

2015年9月18日金曜日

Charles Schwab 証券取引口座開設

Charles Schwab という証券会社に口座を開設したので、その手続きについて。

スイス居住者が金融商品を取引するには、スイス国内の銀行・証券会社を利用する方法と、海外の金融機関を利用する方法があります。スイスは金融大国として知られていますが、意外と手数料が高く、特にスイス以外の市場で取引を行う場合には米国の証券会社を利用するほうが安く済みます。
いくつか調べたところ、私の状況だと Charles Schwab が使いやすそうだったので、ここで口座を開くことにしました。

Charles Schwab は米国の証券会社ですが、スイス居住者は英国現地法人で口座開設手続きを行う必要があります。口座開設申込書は Charles Schwab UK のサイトから入手できますが、国籍、居住地などにより口座開設の手続きが異なるため、申込書送付前に必ずコールセンターに電話して必要書類の確認をとるようにとのこと。
電話したところ、私の場合は次の書類を送付することになりました。
  • Schwab One International 口座開設申込書
  • 米国非居住者用免税書類 W-8BEN
  • パスポートの写し
  • 銀行の取引明細書(ステートメント)
  • ケーブルテレビ会社の請求書
書類を揃えて Charles Schwab UK に送ると、しばらく音沙汰がなく、数週間後に突然メールが届きます。それも口座開設のお知らせではなく、
  • Schwab One International 口座に電話番号が追加されたことの通知
  • 取引通知書を電子的に交付する(紙を送らない)ことに同意する手続
といった事務連絡。

その後で、郵便で口座開設確認書 (Account Verification) が届きました。ここに口座番号が記載されています。あとは、米ドルを Charles Schwab の口座に振り込めば取引が開始できます。

前後して Visa Platinum Debit Card と小切手帳が届きました。これを使うと Charles Schwab の口座においてある米ドルを ATM で引き出したり、あるいは買い物の決済に使うことが出来ます。利用手数料がかからないため、旅行したり米ドル建ての買い物をする人には便利。
なおカードは到着時点では使用することが出来ず、コールセンターに電話してアクティベーション手続きと PIN コードの設定を行う必要があります。

またインターネットでオンライン取引を行う場合、別途 Login ID の設定を行う必要があります。米国居住者で SSN (社会保障番号) を持っている人はオンラインで手続きが完了するようですが、私のように米国外居住者で SSN を持っていない場合には、あらためてコールセンターに電話して Login ID を設定してもらう必要があります。
コールセンターに希望する Login ID を伝えると、その場で仮パスワードが発行されます。設定された Login ID と仮パスワードでログインし、パスワードを再設定すれば手続き完了。

口座開設に必要な書類を集めるのと、コールセンターに都合三度の電話が必要なのがやや面倒ですが、設定が終わってしまえばあとはオンラインで完結します。なおコールセンターは英語以外にスペイン語と中国語も対応しています。残念ながら日本語は非対応。

2015年6月26日金曜日

スイスの医療保険 (2)

スイスにおける医療制度の話。前回の続き。

追加保険 (VVG)

追加保険とは、強制加入である基本保険(KVG)で保障されないリスクをカバーするための保険です。

基本保険と異なり加入は任意で、提供される内容も保険会社ごとに異なります。また保険会社は、既往歴や医師の診断書を保険料算定ならびに引受可否の判定に用いることが出来ます。基本的に罹病して入院が想定される状況では保険会社が引き受けを断るため、健康な内に加入しておく必要があります。(例外として保険会社が企業に対して団体契約プランを設定している場合、その特典の一つとして追加保険加入申請の際の診断書の提出を免除し、無条件で加入を認めるという特約が含まれていることがあります)

追加保険は商品設計の自由度が高く、各社で大きく異なるパッケージングをしているため分類が難しいのですが、追加保険でカバーされるリスクの範囲はおおよそ次のように分けられます。
  • 外来診療
  • 入院
  • 代替医療
  • 歯科治療
  • 予防医療
なお、いずれに関しても詳細は保険毎に異なります。たとえば特定の治療に関して、ある保険では保険会社8割負担(自己負担2割)で上限なし、別の保険では保険会社全額負担だが年間上限3,000CHFといった具合です。

基本保険と追加保険は同じ保険会社から購入しても、別の保険会社から購入しても構いません。ただし同一保険会社から購入した方が保険金請求手続きなどが簡単です。

外来診療

基本保険でカバーされない、次のようなリスクに対応します。

医療機関の地理的制約

緊急時を除き、基本保険で通院できる医療施設は、居住地もしくは就労地の州内にあるものに限られます。たとえ隣の州の病院に患っている病気の世界的権威がいたとしても、その医師の診察を受けると全額自己負担となります。

追加保険を購入することで、基本保険と同等の自己負担額で州外の医療機関でも受診可能となります。一般にはスイス国内の医療機関での受診のみ保険金支払い対象ですが、より高額な保険では全世界の医療機関での受診が保険金支払い対象となります。

これは特に小さな州に住んでいて州内に医院の選択肢が少ない場合や、州の境界近くに住んでおり、隣の州の医院のほうが通いやすい場合に有用です。

基本保険では、緊急時を除きスイス国内医療機関での受信のみ保険金支払い対象ですが、全世界の医療機関での受信が保険金支払い対象となります。

2020年6月23日訂正: 外来診察に関しては、居住地や就労地による制約はありません。対応する法律の条文は 832.10 Bundesgesetz über die Krankenversicherung (KVG), Art. 41 です。
Art. 41 Wahl des Leistungserbringers und Kostenübernahme
Die Versicherten können für die ambulante Behandlung unter den zugelassenen Leistungserbringern, die für die Behandlung ihrer Krankheit geeignet sind, frei wählen. Der Versicherer übernimmt die Kosten nach dem Tarif, der für den gewählten Leistungserbringer gilt.

救急搬送

緊急時に救急車などを利用して医療機関に搬送された場合、基本保険から支払われるのは5割かつ年間500CHFまでに限られます。特に近隣に救急病院がない地方では救急搬送が長距離になるため、費用が高額になりがちです。

海外での緊急治療

海外で急病や怪我をして通院した場合、基本保険からは「スイスで同等の治療を受けた場合の2倍」を限度として保険金の支払が行われます。
スイスは医療費が比較的高いため、欧州内を旅行する分には基本保険で十分対応可能ですが、米国のような医療費が高額な地域を旅行中に通院することになった場合、基本保険からの支払いでは不足します。

任意妊婦検診

妊娠した場合、基本保険では8回の検診と2回の超音波検査が保険で支払われます。超音波検査に関して、回数の上限なく一定割合が保険会社負担となります。

入院

入院に関する追加保険はリスクに対応するというより、より良い治療を受け、快適な入院生活を送るためのものです。

入院に際しては、受けるサービスを次の3つのレベルから選択します。
  1. 大部屋プラン (Allgemein)
  2. 二人部屋プラン (Halbprivat)
  3. 個室プラン (Privat)
追加保険も、これに応じて3レベル設定されているのが一般的です。

また事前にプランを決めず、入院が決まってから受けるサービスを決められる追加保険もあります。

医療機関の地理的制約

緊急時を除き、基本保険で入院できる医療施設は、居住地もしくは就労地の州内にあるものに限られます。

追加保険を購入することで、基本保険と同等の自己負担額で州外の医療機関でも入院可能となります。保険会社と提携している病院にのみ入院可能とすることで保険料を割り引いたり、スイス国内にかぎらず海外の医療機関に入院した場合でも保険料が支払われるという選択肢を提供している保険会社もあります。

病室

基本保険では、病室は治療上の必要がない限り大部屋となります。追加保険では保険の種類に応じて、二人部屋もしくは個室での入院が可能となります。

なお、これは単なる快適さの問題ではなく、入院時の待ち時間にも影響するようです。緊急ではないが手術が必要な場合、たとえば骨折後の治療が悪く骨が正しくない形でついてしまったために再手術が必要というような場合、大部屋だと3ヶ月待ちなのが個室だと2週間後に入院可能となったという事例をインターネット上で見かけました。検査機器の利用順位などに関しても、大部屋の患者より二人部屋、個室の患者が優先されるようです。

また私立病院では大部屋がなく、すべて二人部屋もしくは個室という病院もあります。このような病院では、該当するレベルの追加保険に加入していることが入院の前提条件となります。

医師

医師への診療報酬も、入院時に選択したサービスレベルによって変わります。大部屋プランが一番安く、基本保険でカバーされる金額。二人部屋プランでは大部屋プランの1.5〜2倍程度、個室プランでは2〜3倍程度に設定されているようです。

大部屋プランの場合、医師は病院の側で割り当てますが、二人部屋プランならびに個室プランでは患者が医師を指名することが可能です (freie Arztwahl)。一般に大部屋プランの患者に対しては経験が浅い医師、二人部屋プランの患者には経験豊富な上級医、個室プランの患者に対しては各科の長クラスが主治医となります。

なお、例えば手術の難度が高い心臓病を患っている場合などは、たとえ大部屋の患者でも執刀医はその力量がある医師が割り当てられるため、プランによって生存確率が大きく変わるということはありません。

アップグレード

二人部屋プラン、個室プランの追加保険に加入していない場合でも、差額を自己負担することでアップグレードするプランを病院側で提供している場合があります。

この場合、部屋だけアップグレードする場合と、医師への診療報酬や付帯サービスすべてをアップグレードする場合があります。前者のほうが安いですが、部屋の空き状況などによっては断られる可能性があります。

代替医療

基本保険でカバーされない鍼、灸、マッサージや、未承認薬に対する保険です。眼鏡・コンタクトレンズに関しても一定金額まで保険から支払われるものもあります。

歯科治療

基本保険では、歯科治療に関しては健康に即座に影響があるもの以外は対象外です。たとえば虫歯の治療や、歯の詰め物がとれてしまったので付け直したいといったケースは一切保険からの支払いはありません。
なお歯科治療に関する保険は上限が低く、かつ率も悪いです。たとえば保険料が300CHF/年に対して、保険金支払いは5割で上限1,000CHF/年など。この程度であれば貯蓄でカバーした方がいいということで、加入者は少ないです。

子供の歯並びの矯正に関しても基本保険ではカバーされないため、追加保険でカバーすることになります。こちらは矯正が必要となるリスク自体は低いものの、いざ矯正を行うとなった場合の費用は高額なため、保険でカバーするという選択肢を取る親も多いです。なお矯正が必要だと判明してから保険に加入することはできないため、出生後すぐに加入して保険料を払いつつ様子を見ることになります。

予防医療

病気や怪我になってからではなく、それを未然に防ぐための活動に対して保険会社が一部費用を負担します。これは単体の保険ではなく、外来診療や入院に対する追加保険を購入すると付随してきたり、他の保険とのセットとして提供されます。

任意予防接種

代表的な伝染病に対する予防接種は基本保険でカバーされていますが、たとえば日本では国や地方自治体が費用負担する結核や日本脳炎に対する予防接種は、スイスの基本保険では対象外です。スイスにいる限り、結核や日本脳炎に罹患するリスクが十分に低いためです。
このような基本保険対象外の予防接種に関しても、一定の条件を満たすものは保険負担となります。

健康診断

日本では、雇用者は非雇用者に健康診断を受けさせる義務があるため、会社勤めをしていると毎年会社負担で健康診断を受けることになりますが、スイスでは健康診断は任意です。この費用が一部もしくは全額補助されます。

運動関係の費用

スポーツジムの年会費などに対する補助です。

保険料

任意保険に関しては保険会社毎に商品設計が大きく異なりますが、大手である Sanitas の追加保険を参考として付けておきます。

前提条件: 男性, 30歳, チューリッヒ市内居住, 会社勤務、病気・事故対応

入院保険

  • 大部屋プラン, スイス国内提携病院 9.6CHF/月 (1,260円/月)
  • 二人部屋,プラン スイス国内認証病院 64.9CHF/月 (8,600円/月)
  • 個室プラン, 全世界の病院 103.8CHF/月 (13,700円/月)
大部屋プランであっても、一定割合を自己負担とすることで二人部屋(自己負担2割5分、上限10,000CHF)、個室(自己負担5割、上限20,000CHF)対応の保険として医療機関側で取り扱われるようにすることが可能です。

大部屋プランの「スイス国内提携病院」はポジティブリスト方式をとっているのに対し、二人部屋プランの「スイス国内認証病院」はネガティブリスト方式をとっており、リストにあるいくつかの病院を除いては入院可能です。病院の選択肢は、入院保険種別が大部屋プラン、二人部屋プラン、個室プランとなるに従って広がります。
また大部屋プランと二人部屋プランに関しては、保険が支払われる入院日数に180日の上限が設定されていますが、個室プランは無制限です。半年以上入院するのは稀ですが、その稀な場合をこそ保険でカバーしたい(万が一長期入院となった場合に貯蓄ではカバーしきれない)ということであれば、個室プランを選択することになります。

基本的には以上ですが、他に保険料に影響がある細かい項目が設定されています。

まず免責額を設定することが可能です。たとえば二人部屋プランであっても、1,000CHFまでは自己負担とし、それ以上かかった場合のみ保険会社負担とすれば保険料を安くすることが可能です。
一般に、罹患してから追加保険に加入したり保険のカテゴリを上げる(大部屋プランから二人部屋プラン、二人部屋プランから個室プラン)ことはほぼ不可能ですが、一定額の保険料を支払うことでカテゴリ変更を保証するオプションを付けることが可能です。

また Sanitas 以外の例となりますが、出産を対象外とすることで入院保険の保険料を割り引く選択肢を提供している入院保険もあります。

外来診療、代替医療、予防医療

  • 33.2CHF/月 (4,400円/月)
Sanitas では外来診療、代替医療、予防医療はセットの保険となっており、一部のみに加入することはできません。別の保険会社、たとえば CSS ではより細かい粒度で加入することが可能です。

基本保険 (KVG) + 追加保険 (VVG) 保険料合計

チューリッヒ市内に住む健康な 30代夫婦 + 子供2人の家庭を考えると、基本保険と追加保険で毎月700CHF (92,000円) から1,200CHF (158,000円) 程度かかることになります。

最も安いモデル
免責額: 大人2,500CHF/年、子供0CHF/年
基本保険モデル: 大人 HMO, 子供 標準(制約なし)
追加保険: なし
保険料 約700CHF/月

最も保障が充実したモデル
免責額: 大人2,500CHF/年、子供0CHF/年
基本保険モデル: 標準(制約なし)
追加保険: 入院 個室プラン, 外来診療・代替医療・予防医療対応
保険料 約1,200CHF/月

月に1,200CHF=年間190万円は高額に見えますが、実は日本だと高額所得者はより多くの金額を負担しています。
東京都の政府管掌健康保険加入というケースを考えると、世帯年収1,100万円でスイスの基本保険にのみ加入した場合と同等の保険料、2,000万円で追加保険にフルセットで加入した場合と同等の保険料を納めることになります。免責額や医療費の上限に違いがあるので、単純に保険料だけでは比較できませんが。

なお日本だと納める保険料と受けられるサービスは無関係ですが、スイスだと追加保険を購入すれば受けられるサービスが良くなるため、一定以上の収入がある人にはスイスの医療システムの方が魅力的に映ると思われます。

移転します

移転先:  https://blog2.issei.org/