スイスの医療保険 (1)
スイスにおける医療制度の話。
スイスの医療費は高額ですが、万が一、怪我や病気を患った時に必要な治療が受けられるよう、リスクを分散して負担するための制度が社会に組み込まれています。中心となるのは健康保険(医療保険)ですが、この制度設計が日本とは大きく異なります。
個人的には、患者側から見ると日本の医療制度はかなり恵まれていると思いますが、高齢者が増えていく今後は持続可能性に疑問があります。スイスも高齢化に伴い医療費の増加が問題となっていますが、日本よりは状況は良いようです。
日本の今後の医療制度を考える上で、混合診療の是非(日本医師会による反対意見)や専業主婦の扱いなど、日本とは異なる制度を見てみるのも参考になると思います。
日本とスイスの医療制度比較
大きな違いは次の3点。
- 日本の健康保険は実際には福祉(応能負担)だが、スイスでは保険(応益負担)
- 小さなリスクに関してはカバーせず、大きなリスクのみカバーする。
- 必要最低限をカバーする基本保険と、それ以上の保障を求める人向けの追加保険の組み合わせ。(混合診療)
一方で類似点は、国民皆保険制度をとっている点です。
- 国が介入して医療保険でカバーされる治療の範囲を決めている。
- 全員が基本保険に加入しなければならないが、逆に、保険会社によって加入を拒まれることもない。
以下、スイスの医療保険制度を細かく見ていきます。
基本保険 (KVG)
スイスに一定期間以上住む人間は、原則として基本保険に加入する義務があります。例外は海外赴任などでスイスに来ていて、基本保険よりも優れた保険にカバーされている場合。
基本保険では、国によって、保険が適用される治療や処方薬が定められています。ただし、一般的な治療はほぼ基本保険で賄われると思って間違いありません。日本と比較して薬の承認なども早く、たとえば肺炎球菌ワクチンは日本では2013年まで7価対応でその後にようやく13価対応となりましたが、スイスでは早くから13価対応ワクチンが使用されてきました。
基本保険は民間保険会社によって提供されて、個々人で保険会社から購入します。ただし医療難民を産まないために、保険料の算定にあたっては次の情報しか使用できないことになっています。
- 年齢
- 性別
- 居住地
この中に入っていない重要な情報は、既往歴です。保険会社としては、重病を患っていて定期的に高額な治療が必要な患者の加入を認めると持ち出しになるのが明白なので断りたいところですが、それは認められません。これによって高額な医療費が払えずに治療を受けられないという問題の発生を防いでいます。
日本では使われているのに、スイスでは使われていない情報は年収です。日本は年収が増えると保険料が増える(応能負担)ですが、スイスではあくまでリスクに応じて保険料を負担する(応益負担)制度になっています。また専業主婦や子供を扶養者として無料でカバーする制度もありません(ただし子供に関しては保険料が安く抑えられています)。
本来、保険というのはリスクに応じて保険料を負担して、万が一リスクが実現した場合には集めた保険料から支払いを行う制度です。日本の医療保険制度はリスクと無関係に保険料が決まっているが受けられるサービスは同じという点で、保険ではなく税金と呼んだほうが適切な制度です。
基本保険を購入する場合、各人で選択可能な要素が2つあります。
- 保険モデル
- 控除額
保険モデル
これは、医師にかかる権利に制約を設けることで保険料を割り引くことです。最も割高なのが制限なしのモデルですが、それに対して次のような保険モデルがあります。
Telmed
医師の診察を受ける前に、保険会社のコールセンターに電話をかけます。保険会社の方で医師の診察が必要と判断した場合は、保険会社側で医師の予約をとるか、あるいは患者側でとった予約を伝えて承認を受けます。
コールセンター側の判断に束縛される契約と、コールセンターが通院不要といった場合でも患者判断で通院できる契約があります。もちろん前者のほうが保険料は割安。私は実際に利用したことはないのですが、聞いた範囲では運用はそれほど厳しくないようで、何らかの症状が出ているにも関わらず通院が認められないことはほぼ無いようです。
HMO
通院する場合、必ず最初の一回は保険会社指定の一般医に診察を受けます。一般医が診察の上、必要であれば専門医に紹介されます。
保険会社が開業医を組織してネットワークを作っている場合と、保険会社が一般医を集めた診療所を開設している場合があります。
GP
かかりつけ医を決め、通院する場合、最初の一回はそのかかりつけ医に診察を受けます。かかりつけ医が必要と判断した場合、専門医に紹介されます。
一般医と専門医を比較すると、前者のほうが診察費は安いです。素人判断で専門医にかかったところ、実は大したことがなくて自宅でゆっくり寝ていれば良いだけということが判明したり、誤った専門科にかかってしまうことを防止することで保険金支払いを抑制し、結果的に保険料を値下げしているものと思われます。
控除額
スイスでは、毎年一定額までは全額自己負担となります。これを控除と呼びます。控除額は一定の範囲内で加入者が自由に選択することができます。大人は年間300CHFから2500CHF、子供は0CHFから300CHFまで。
健康な大人の場合は控除額を2500CHFとし、子供は0CHFにすることが一般的。持病がある場合には大人でも300CHFを選択します。
年間の医療費が控除額を超えた場合、超えた金額の90%を保険会社負担、10%のみ自己負担となります。たとえば控除額300CHFに設定してあって600CHFの医療費が発生した場合、次のような負担割合となります。
- 最初の300CHF = 全額自己負担
- 次の300CHF = 90%保険負担 (270CHF) + 10%自己負担 (30CHF)
自己負担額にも上限が設定されており、年間700CHFまでです。それを超えると全額保険負担。
日本では医師に診察を受けると、初回から自己負担額は3割で、残りの7割は保険組合負担です(現役世代の場合)。したがって軽い風邪でも気軽に医師にかかれます。
一方スイスでは一定額までは100%自己負担なので、軽症の場合には医師にかからず薬局で薬を買って済ませることが多いです。しかし本当に高額な医療費がかかる場合には、保険が手厚く負担する制度になっています。
保険料
基本保険料の算出に用いられるのは年齢、性別、居住地、保険モデル、控除額ですが、保険会社によって金額が異なります。
受けられるサービスが同じである以上、保険料が安いところに集中するかというとそうでもなくて、保険金請求に対する対応の早さ、Telmed を選んだ場合のコールセンターの混雑具合や近くの医師が HMO に加入しているか、書類の対応言語数(私にとっては英語対応かどうかが重要)、オンラインシステムの使い勝手、また取り扱っている追加保険の内容といった基本保険自体以外の要素も踏まえて選択されます。
大手である Sanitas での2015年の保険料を参考につけておきます。
共通: 男性, 30歳, チューリッヒ市内居住, HMOモデル, 会社勤務
ケース1 健康な場合
控除額: 2500CHF (33万円)
保険料: 257CHF/月 (34,000円)
ケース2 頻繁な治療が必要な持病がある場合
控除額: 300CHF (4万円)
保険料: 377CHF/月 (50,000円)
健康で特に医師にかからない場合は年間3084CHF(41万円)を保険会社に支払って受取はなし、持病があって頻繁に病院にかかる場合には保険料、控除額と医療費自己負担分の合計年間5524CHF(73万円)を負担することになります。健康な場合と医療費がかさむ場合とで、負担額に1.8倍程度の差しかないことが分かります。
スイスのガソリンスタンド利用方法
油種
レギュラーガソリン、ハイオクガソリンと軽油があります。ガソリンは Benzin もしくは bleifrei (無鉛)、軽油は (Diesel) と表記されます。日本では軽油のイメージカラーは緑ですが、こちらはではガソリンが緑で軽油は黒です。
スイスのレギュラーガソリンはオクタン価95、ハイオクガソリンは98。エンジンによってどちらを使うかが指定されています。なお日本ではオクタン価96以上をハイオクガソリンとしているため、欧州車は現地ではレギュラーガソリン指定でも、日本に持ってくると全てハイオク指定となります。
軽油は通常1種類ですが、添加物などを混ぜてエンジンをきれいに保つと謳ったプレミアム軽油を売っている場合もあります。効果の程は不明。
給油・支払方法
ガソリンスタンドにコンビニのような店が併設されている場合には、先に給油を済ませてからお店のカウンターに行き、使用した給油機の番号を告げて料金を払います。給油機には特にロックがかかっていないので、車を停めたら店員に何か告げることもなく、いきなりノズルをとって給油開始で OK。
無人のガソリンスタンドでは給油機がロックされています。先に給油機の近くにある機械にクレジットカードもしくは現金を通し、給油機のロックを解除してから給油を行います。
BMW 320d Touring xDrive 納車3ヶ月
3月に自動車を購入しましたが、3ヶ月で4,000km強走っての感想です。
車種は BMW 320d Touring xDrive で、主要諸元は次の通りです。
- 中型車クラス (Dセグメント)
- ステーションワゴン
- 2000cc ディーゼルエンジン
- 8速オートマチックトランスミッション
- 四輪駆動
これに安全・快適系のオプションと、見栄え系のオプションが色々ついてます。見栄え系の方は個人的にはどうでも良いので(在庫車を買ったので選択の余地がなかった)、安全・快適系の装備だけまとめると次の通り。
- カーナビゲーション
- リアルタイム渋滞情報対応
- 標識をカメラで認識し、制限速度・追い越し規制情報を表示
- ヘッドアップディスプレイ
- 電動式シート、調整位置記憶機能付き
- シートヒーター
- 前車追従クルーズコントロール
- レーン・チェンジ・ウォーニング
- 自動ヘッドライト(オンオフ、ハイビームや照射範囲のコントロール)
- 自動ワイパー
- リアカメラ
- 前後超音波センサー
- 縦列駐車支援システム
実用品として車を購入する場合、サイズは乗車人数と用途で必然的に決まります。親二人と子供二人が乗ってスーツケースなどの荷物を積んで遠出するのに適したサイズとなると Dセグメント。
また私の用途だと週末に家族連れで遠出することが多いので、安全装備と運転支援システムがあり、かつ冬場にはスキー場に行く可能性があるので四輪駆動が望ましい。妻と私と双方とも運転するので、座席は細かく調整できて電動で位置を記憶できると猶良し。
そもそも BMW を買う予定はなかったのですが、条件を満たす車を探していたところ近くのディーラーに店頭在庫車 (走行距離40kmの試乗車) があり、値段交渉の結果、だいぶ安くなったので購入しました。
当初はマツダのアテンザ 2015 年モデルや Volkswagen Passat などを考えていたのですが、スイスでは価格が高く、装備を同レベルに合わせると BMW の店頭在庫車とあまり変わらない状況。あとアテンザはちょうど新型が出たばかりで店頭在庫車がなく、新車は4ヶ月待ちだったのが痛かった。
(中古車も検討しましたが、販売店が辺鄙なところにあるので車がないと見に行くのが難しく、また英語を話せる店員さんも限られるので今回は購入先から外しました)
購入してすぐにチューリッヒからジュネーブまで往復600km弱を日帰りで走りましたが、さすがに安全・快適装備の運転支援機能が強力で、かつシートが良く出来てきているので疲労も軽かったです。
装備品に関しては、フルカラー・高解像度のヘッドアップディスプレイが気に入りました。フロントガラスにカーナビの進路指示、制限速度と現在の車速が投影されるのですが、運転時にはこの情報だけでほぼ事足ります。
スイスでは高速道路も下道も頻繁に制限速度が変わるため、まだ道に慣れていない身には、制限速度が常にヘッドアップディスプレイに表示されるのも予想以上に便利でした。
ヘッドアップディスプレイには大きな利点が2つあります。1つはフロントガラスに投影されるため運転中に前方から視線を外さすに見られること。もう1つは虚像の投影距離が運転席から前方5メートルの位置になるため、運転中に目の焦点距離を大幅に変える必要がないこと。
一般的なカーナビだと、次の交差点を確認するためには視線を前方からモニタに移して眼の焦点も遠距離から近距離に変更する必要があるため、前方車両を確認できない時間が長くなりがちで、かつ目の負担も大きい。
縦列駐車支援システムは完全に実用レベル。チューリッヒ市内などで駐車する際に何度も利用していますが、操作が簡単でかつ自動操作も迅速なので、慣れた人間が停車するのと同程度の所要時間で駐車できます。必要最小限の切り返し回数で駐車するので、これに勝つのはけっこう熟練が必要。日本やアメリカだと出番は少ないと思いますが、縦列駐車が多いヨーロッパの街中だと重宝します。
またヘッドライトとワイパーの自動コントロールも実用度が高いです。日本の高速道路は街灯がこまめに設置されていますがスイスだとかなり暗いため夜間運転時にはハイビームのオンオフをこまめに切り替える必要があり、またトンネルが多いので雨天時には頻繁にワイパーのオンオフが必要になるためです。
日本で乗っていたマツダのアテンザ XD-L(欧米でのモデル名は Mazda 6)のセダンと BMW 320d Touring xDrive を比較すると、一長一短ですね。
エンジン
両方ともディーゼルエンジンですが、アテンザのほうが高回転まできれいに回り、加速も力強いです。高速での追い越しなどはアテンザのほうが気持ちいいですね。
燃費はどちらも優秀で、私の用途だと 17km/l ぐらいは走ります。遠出するときに給油回数が少なくて済むのは助かります。
トランスミッション
アテンザは6速マニュアル (6MT)、BMW 3 は8速オートマ(8AT)なのでそもそもが全く違いますが、運転していて楽しいのはアテンザでした。自分で操っているという実感がある。
一方 BMW の 8AT はエンジンの美味しい回転数をこまめに拾っていく感じで、シフトチェンジしていることはエンジン音で分かるけれどもショックはまったく感じないという滑らかさ。
スイスの所得税・住民税
スイスで会社勤めしていると給与に課税されますが、その話。
所得税・住民税の比較
支払先は連邦、州 (Kanton)、そして基礎自治体 (Gemeinde) の3者。日本でも国に払う所得税と、都道府県ならびに基礎自治体に払う住民税(都道府県民税、区市区町村民税)があるので同じ構造です。
違いに着目すると、次のようになります。
- 納税額 (ある程度の所得がある場合)
- 日本 国税の割合が高い
- スイス 地方税の割合が高い
- 住民税率
- 日本 所得比例分の税率は一律10%(都道府県民税4%、区市町村民税6%)
- スイス 累進課税、かつ自治体毎に税率が異なる
- 納税単位
- 日本 個人単位
- スイス 夫婦単位
- 教会税
- 日本 なし
- スイス キリスト教の代表的宗派に属する信徒は納税の必要あり
スイスは公式には国教を定めていませんが、政府は代表的な宗派に対して経済的援助を与えています。教会税もその一環で、税務当局が徴収後に納税者の属する宗派に分配されます。 なお教会税の納税は厳密には法的義務ではなく自発的に行われることになっていますが、教会税を支払わない場合には宗派を離脱することが求められ、教会での斎行や埋葬に影響が出るようです。(私は信徒ではないので伝聞です)
スイスでの所得税・住民税納税方法
スイスでは、納税方法が人によって異なります。給与所得者で本人もしくは配偶者がスイス国籍あるいは永住権 (C Permit) を保有している場合には確定申告、それ以外の資格 (B Permit, L Permit) で滞在している場合には源泉徴収(給与天引)となります。
源泉徴収の税率は州毎に決められた計算表があり、チューリッヒ州では収入額、家族構成ならびに教会税課税対象者かどうかで決まります。
源泉徴収の注意点ですが、住んでいる基礎自治体は考慮されません。基礎自治体毎に住民税の税率が異なるのですが、これが適用されるのは確定申告を行った場合のみで、源泉徴収ではどの基礎自治体に住んでいても、他の条件が同じであれば同額の税金が徴収されます。
また所得控除対象となる支出も個別には考慮されません。たとえば確定拠出年金に積立を行うと本来は所得から控除されるのですが、源泉徴収額は標準的なモデルケースに基づいて決められています。
なお年収 120,000 CHF を超える場合には確定申告が必須、それ以外でも本来は控除される金額が多い場合には自発的に確定申告を行うことが可能です。源泉徴収では税率は標準的なモデルケースに基づいて決められていますが、確定申告を行うと居住地や個別の収入・支出を反映して税額を再計算し、源泉徴収された額との差額が精算されます。
源泉徴収税率表の読み方
チューリッヒ州は公式 Web サイトで源泉徴収税率表を公開しています。
まず家族構成に応じて表が A, B, C と H の 4 種類あります。
- A: 独身者
- B: 既婚者、片親が専業主婦(夫)
- C: 既婚者、共働き
- H: 一人親家庭
PDF ファイルを開くと、各ページの上に Mit Kirchensteuer, Ohne Kirchensteuer と書かれています。各ページはそれぞれ次の場合に対応します。
退職所得の選択課税
日本企業を退職して海外の企業に就職する場合に、日本企業から支給される退職金に対する税金の扱いについて。
普通に日本企業を退職して日本で退職金を受け取る場合でも退職金には所得税がかかりますが、その税額はきわめて低く抑えられています。
たとえば勤続年数10年で退職金が600万円支給された場合、退職所得控除が勤続年数10年で400万円あり、かつ課税退職所得金額は (退職金 - 退職控除) x 1/2 で計算されるため(600万円 - 400万円) x 1/2 で 100万円となります。
課税退職所得が195万円以下の場合、所得税率は5%のため、復興特別所得税 (所得税の 2.1%) を含めて最終的な課税額は51,050円となります。
参考
ただし、この計算方法が適用されるためには、退職金受け取り時に税法上の居住者である必要があります。退職金が支給される前に出国し税法上の非居住者となっていた場合には、退職金支給額の20.42%が源泉徴収されます。退職所得控除や税率の累進課税の適用は一切ありません。
たとえば退職金が600万円の場合には、源泉所得税として1,225,200円が差し引かれ4,774,800円が支払われます。
さすがに出国のタイミングで税額が大きく異なるのは不公平だということで、税務署に申告を行うことで、居住者と同様の課税ルールを適用して所得税額を再計算し、差額の還付を受けることが可能です。根拠となるのは所得税法第百七十一条です。
(退職所得についての選択課税)
第百七十一条 第百六十九条(課税標準)に規定する非居住者が第百六十一条第八号ハ(居住者として行つた勤務に基因する退職手当等)の規定に該当する退職手当等(第三十条第一項(退職所得)に規定する退職手当等をいう。以下この節において同じ。)の支払を受ける場合には、その者は、前条の規定にかかわらず、当該退職手当等について、その支払の基因となつた退職(その年中に支払を受ける当該退職手当等が二以上ある場合には、それぞれの退職手当等の支払の基因となつた退職)を事由としてその年中に支払を受ける退職手当等の総額を居住者として受けたものとみなして、これに第三十条及び第八十九条(税率)の規定を適用するものとした場合の税額に相当する金額により所得税を課されることを選択することができる。
なお、この場合でも支給時に必ず一度は20.42%を源泉徴収されるため、支給後に税務署に申告を行う必要があります。
私は2015年1月に Google の日本オフィスからスイスオフィスに異動しましたが、手続き上はグーグル株式会社(Google の日本現地法人)を退職して Google Switzerland GmbH(グーグルのスイス現地法人)に雇用という形でした。
退職から退職金の支給までには一ヶ月強の時間差があるため、退職金支給日にはすでにスイス現地法人での勤務を開始しており、日本の税法上は非居住者でした。したがって支給される退職金からは20.42%が源泉徴収されており、徴収されすぎた所得税の還付を受けるために日本の税務署に申告を行う必要がありました。
退職所得の選択課税専用の申告書は存在しないため、自分で申告書を作成する必要があります。申告書に記載する内容については所得税法第百七十三条と所得税法施行令第七十条で規定されていますが、申告書を一から自分で作成するのは大変なので、私は下記の blog 記事を参考に確定申告書B様式に修正を加えて申告書を作成し、日本にいる納税代理人を通じて所轄税務署に郵送しました。
税務署から申告書受理の連絡は来たので、現在は還付確定連絡待ちです。
税金は、こういう知らないと損をする、あるいは知らなうちに脱税になってしまうというケースがあり、専門家の助言がないと怖いですね。特に国をまたぐ場合には。
チューリッヒ市内 路上駐車規則
チューリッヒ市内の路上駐車規則について。
チューリッヒ市内には、道路に白、青、黄色で枠線が引いてある場所があり、条件を満たせば駐車可となっています。ほぼ縦列駐車です。
白枠 有料駐車区画
近くにパーキングメーターがあり、料金を支払うことで決められた時間まで駐車可能です。駐車料金は硬貨、もしくは Parking Credit Card というプリペイドカードで支払います。
青枠 無料駐車区画
駐車時刻を示す Park Disc をフロントグラス内に表示することで、1時間まで駐車可能。ただし時間のカウントの仕方に細かいルールが有る他、特定の条件で時間制限もなくなります(後述)。
黄色 指定車駐車区画
警察車両、タクシーなど指定された車のみ駐車可能です。
このうち、ルールがややこしい青枠駐車区画について。
原則として、この駐車区画には1時間まで駐車可能です。駐車したら、Park Disc という紙で出来た時計のようなものを駐車開始時刻に合わせて、フロントグラスから見える位置に置きます。こうすることで、表示されている駐車開始時刻の1時間後まで駐車できます。
これだけ書くとシンプルなのですが、実際には2つほど追加でルールがあり、やや複雑になっています。
ルール1) Park Disc に設定する駐車開始時刻は毎時0分、もしくは30分とする。
たとえば実際に駐車した時刻が9:00から9:29の場合、Park Disc には30分単位で切り上げた9:30を設定し、その1時間後である10:30まで駐車可能になります。
ルール2) 駐車時間に制限があるのは平日・土曜日の8:00-11:30, 13:30-18:30のみ。
11:30-13:30は昼食時、18:30-8:00は夜間ということで制限なく駐車可能です。
具体的には、ルール1にしたがって設定した Park Disc の表示時刻が12:00-13:30の場合には13:30までは駐車時間にカウントしないため、13:30から1時間、すなわち14:30まで駐車可能となります。
同様に Park Disc の表示時刻が18:30-8:00の場合には8:00までは駐車時間にカウントしないため、8:00から1時間、すなわち9:00まで駐車可能となります。
例 (いずれも平日・土曜日の場合)
駐車開始時刻 11:00-11:29
Park Disc 表示時刻 11:30
駐車時間カウント開始時刻 11:30
駐車可能最終時刻 12:30
駐車開始時刻 11:30-11:59
Park Disc 表示時刻 12:00
駐車時間カウント開始時刻 13:30
駐車可能最終時刻 14:30
青色駐車区画は訪問者用の一時的な駐車スペースとしても使われていますが、多くは周辺に住む住民の半恒久的な駐車場としても使われています。
青色駐車区画の近くには無料駐車区画を示す道路標識が設置されていますが、そこに「Mit Parkkarte 8003 unbeschränkt」のような記載があります。8003の部分は郵便番号で、駐車場がある地域によって変わりますが、直訳すると「8003の駐車カードがある場合には無制限」という意味です。
近隣住民は自分の居住場所に対応する駐車カードを購入することができ、その駐車カードを車外から見える場所に掲示することで、時間の制限なく駐車することが可能になります。2015年2月現在、駐車カードの費用は年間300CHFです。
スイスの自動車保険制度
スイスの自動車保険制度について。
日本で自動車を登録する場合、事前に自賠責保険に加入する必要があります。自賠責保険は交通事故の被害者を救済するための制度で、保険金は被害者に対する治療費等の支払いや死亡時には遺族に対する支払いに充てられます。
スイスも同様で、自動車を登録するためには、事前に自動車事故による第三者賠償責任をカバーする保険に加入する必要があります。
日本では、自賠責保険は保険料・支払い条件が保険会社によらず全て同じなので、加入者がどこの保険会社に加入するかを気にすることはほとんどありません。多くの場合は自動車販売店にお任せだと思います。しかしスイスでは、日本でいうところの自賠責保険と任意保険をセットにして保険会社が販売しており、保険金額も各社によって異なるため、加入者が自分で選択する必要があります。
自動車保険を購入する際に、まず検討するのは保険の範囲です。
Haftpflicht (第三者賠償責任保険)
自分の過失で歩行者や他の自動車などに損害を与えた場合の賠償責任をカバーします。日本の自動車保険だと、自賠責保険と任意保険の対人・対物保険を合わせたものに相当し、補償額は100億 CHF と事実上無制限になっています。
Teilkasko (限定車両保険)
自分の車両に対する保険。火事, 爆発, 盗難, 天災, 野生動物との衝突, ガラスの破損などをカバーします。
Vollkasko (車両保険)
自分の車両に対する保険で Teilkasko に加えて自損を含む事故, 当て逃げにも対応します。
日本では自動車保険で対応する運転者・同乗者の怪我 (搭乗者障害保険, 人身傷害保険) は、スイスでは通常の傷害保険 (加入必須) でカバーされるために自動車保険には含まれません。
また第三者賠償責任は必須ですが、車両保険は任意です。新車や高価な車の場合には Vollkasko を掛けておいたほうが良いと思いますが、中古車の場合には保険料・リスクと買い替え費用を天秤にかけて検討することになると思います。
車両保険は夜間の駐車方法によっても値段が変わります。スイスでは許可された区画であれば路上駐車も可能ですが、その場合には車体が傷つけられるリスクが増えるため、保険料がやや高くなります。
また車両価格の算定基準として市場価格を用いるものと、事前に決められた償却率(たとえば初年度は新車定価の100-90%, 2年目は90%-82%など)を用いる方式があります。後者のほうが高めの価格になります。
なお Haftpflicht, Vollkasko には Bonus (無事故割引) があります。運転者の年齢が25歳以上で、過去5年以内に保険金請求を伴う事故や免停などの行政措置を受けていない場合には、最大で保険料が 30% から 35% 程度 (7割引〜6割5分引き) になります。また保険を使用しても年間1度までであれば事故にカウントしない、つまり翌年の保険料が据え置きとなる Bonusschutz (等級プロテクション) を付けることも可能です。
他に保険料に大きく影響するものとして Selbstbehalt (免責額) があります。日本と同様、一定額までは自己負担とし、それを超える場合にのみ保険金からの支払いを受けるというものです。
Selbstbehalt は細かく設定可能な場合が多く、たとえば Teilkasko でカバーされる範囲は自己負担なし、ガラスやライトの修理は自己負担200CHF、それ以外は1,000CHFなどという設定が可能です。
また保険会社と提携している自動車修理工場で修理を行うと免責額が下がるという特約を設定している保険会社もあります。
なお Teilkasko は保険料割引がない代わりに、保険を使用しても保険料の値上げはありません。基本的に本人の過失によらないリスクをカバーしている保険だからでしょう。
他に、これに追加できる保険やサービスがいくつかあります。
Parkschäden / Schäden am parkierten Fahrzeug (駐車車両に対する保険)
駐車している間に自分の車両が受けた損害に対する保険。ショッピングセンターの駐車場で当て逃げされたとか、ドアをぶつけられてできた傷をカバーします。
運転免許証の取得方法
日本とスイスは運転免許の取り扱いに関して二国間協定を結んでおり、日本の運転免許証保持者には次の権利が認められています。
- 入国後1年間は、日本の運転免許証と合わせて法定翻訳を持ち歩くことで自動車を運転可能です。(職業ドライバーは除く)
- 入国後1年以内に所定の手続きを行うことで、学科、技能試験免除でスイスの運転免許に書き換えられます。
法定翻訳は、在スイス日本大使館などで作成してもらえます。
スイスの運転免許取得方法は州毎に詳細が多少異なるようですが、チューリッヒ州の場合は次のとおりです。
- チューリッヒ州交通局 (Strassenverkehrsamt des Kantons Zürich) の Web ページから申請書をダウンロードし、必要項目を記入。パスポートサイズの写真を貼付。
- 記入済みの申請書と滞在許可証を持ってメガネ屋さんに行って視力検査を行い、検査結果を申請書に記入してもらう。予約不要で時間も10分もかかりません。費用はメガネ屋さんによって違うと思いますが、私の場合は 10 CHF でした。
- 申請書、滞在許可証、日本の運転免許証と法定翻訳を持ってチューリッヒ州交通局に行き、窓口に必要書類を提出。
- 問題がなければ一週間程度でスイスの運転免許証が郵送されてきます。料金は後払い。
チューリッヒ州交通局はトラム13号線の Strassenverkehrsamt 駅の目の前にあります。(Google Map で見る)
細かい注意事項
- スイス入国後に運転免許証の法定翻訳を取得するには、ある程度の時間がかかります。すぐに車を運転したい場合には、日本出国前に国際運転免許証を取得しておきましょう。厳密にはスイスでは国際運転免許証は効力がありませんが、実務上は日本の運転免許証の翻訳として取り扱ってもらえます。
- 日本で平成19年6月1日以前に普通免許を取得した場合、スイスでは中型免許に相当する C1 カテゴリの車を運転可能です。ただし C1 カテゴリの運転免許を取得・保持するには視力検査に加え定期的な身体検査が必要なので、面倒なら放棄できます。申請書右下の “Ich verzichte auf die Kategorie(n)” という欄に C1 と書いて署名。
- 運転免許証の書き換え処理中は、日本の運転免許証はチューリッヒ州交通局に預ける形になりますが、自動車の運転はしても構わないとのこと。警官に運転免許証の提示を求められた場合には、滞在許可証を示して運転免許証は書き換え処理中と伝えれば、警官はシステムに登録されている情報を確認可能だそうです。
出国日と住所、税金
所得税・住民税の支払いに関しては「いつ」「どこに」住んでいたのかが重要になります。そのため、出国日の違いで支払う税金が大きく変わることもあります。
所得税
所得税は国税、すなわち日本国に対して収める税金です。一般的に日本で生まれ育った日本人は「居住者かつ永住者」となり、国内外問わず全ての所得に対して所得税が課されます。一方で海外に移住した場合には「非居住者」となり、国内での活動に基づく所得に対してのみ所得税が課されます。
居住者と非居住者は、所得税法 第二条の三、五で次のように定められています。
第二条
三 居住者 国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて一年以上居所を有する個人をいう。第二条三、四で次のように定められています。
五 非居住者 居住者以外の個人をいう。
これまで日本で生まれ育って日本の企業に努めていた人が海外企業に就職するために出国した場合、出国までは「居住者」として全所得に対して日本の所得税が課税されるのに対して、出国後は「非居住者」となり日本への所得税支払いはなくなります。
なお、出国後であっても国内での活動に基づく所得(国内源泉所得)に対しては日本国に所得税を納める必要があります。会社員で良くあるのは、退職金や賞与が出国後に支払われる場合。なお居住者と非居住者は所得税の計算方法が異なるため、やや面倒なことになります。
出国当日の扱いについては、法律には記載がありませんが国税庁による通達があり、居住者として扱うことになっています。出国の翌日から非居住者。
所得税基本通達>〔居住者、非永住者及び非居住者(第3、4、5号関係)〕
2-4の3 (略)過去10年以内に住所又は居所を有することとなった日(以下この項において「入国の日」という。)と住所又は居所を有しないこととなった日(以下この項において「出国の日」という。)がある場合には、当該期間は、入国の日の翌日から出国の日までとなることに留意する。 (平18課個2-7、課資3-2、課審4-89追加)
(注:当該期間=国内に住所又は居所を有していた期間)
住民税
住民税は地方税で、都道府県と市区町村(もしくは特別区)に納める税金です。所得税と異なり、これは賦課期日(一月一日)に住所がある地方自治体に対して納税することになっています。
第三十九条 個人の道府県民税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の一月一日とする。
つまり12月末に出国すれば、その年の所得に対しては住民税がかからず、1月上旬に出国すると住民税を100%払う必要があります。所得によっては、数日の出国日の違いで大きな納税額の差になります。
所得税と異なり、出国当日の扱いについては明確な規定がありません。ただし国内での住所変更では、取り扱いは次のように統一されています。
- 引越し前に引越元(元々住んでいる自治体)に転出届を提出する。転出届には転出予定日を記入する欄があり、この予定日当日から住民票の発行などが行えなくなる。ただし転出予定日はあくまで予定であり、法律的な意味はない。
- 次に引越を行い、その後に引越先(これから住む自治体)に転入届を提出する。転入届には異動日を記入する欄があり、そこに記入した日付からその自治体に住所があることになる。また合わせて、異動日の前日が以前に住んでいた自治体に住所があった最終日となる。
このため、国内に住んでいるにもかかわらず住所がない、あるいは住所が複数の自治体に存在するということは起こらないようになっています。
参考:埼玉県 久喜市
転出入した場合、どこへ申告したらよいですか
お答えします今年分の個人市県民税の申告先は、賦課期日(毎年1月1日)現在お住まいの市区町村になります。したがって、来年の1月1日までに転出した場合は、転出先のお住まいの市区町村に申告し、来年の1月2日以降転出した場合は、転出前にお住まいの市区町村に申告します。(1月1日に転出した場合は、転出先に現住所があるものとされています。)
しかしながら、海外への転出に際しては、転出元の自治体は海外の自治体への転入日を知る術がありません。そこで実際には提出された転出届にある転出予定日の日付でもって住民票を削除し、転出したという扱いにするようです。
理論的には、出国後にパスポートの出国印の提出を求めるなどして出国日を確認し、それで転出日を修正することは可能ですが、そのような運用は行われていません。
出国(予定日)当日に転出元自治体に住所があると見做すかどうかは、明確な規定がありません。所得税と同じ取扱をするのであれば出国日も住所があることになりますし、国内外の転出・転入と同じ取扱とするのであれば出国日には住所がないことになります。
日本を出国して海外に行く場合、殆どの場合は同日もしくは(日付変更線をまたいで)前日着となるため、個人的には出国日には日本の地方自治体には住所がなく、逆に海外の地方自治体に住所があるという扱いにするのが自然に思えます。
したがって12月31日までに出国すれば翌年の住民税支払いはなし、1月1日は曖昧、1月2日以降であれば住民税の支払いが必要です。なお住民税は1月1日時点で賦課が決まり、その年の6月から翌年5月にかけて支払うので、12月31日に出国しても1月〜5月分の支払いは行う必要があります。
スイス滞在資格 続き
日本人を含む非EU/EFTA国出身者がスイスの企業に派遣、あるいは直接雇用される場合には、受け入れ先の州政府からL滞在許可証、B滞在許可証、もしくはC滞在許可証を取得する必要があります。公的に決められている違いと、現実社会で遭遇する待遇の違いについて。
公式な話
L滞在許可(短期滞在許可)
雇用先がスポンサーとなって州当局に申請を行い、3ヶ月以上、1年以内の短期滞在が許可された場合に発行されます。更新回数に制限があり最長で2年まで延長可能。なおスポンサー企業と雇用関係がなくなった場合には滞在許可は取り消され、住居は雇用先と同一州に限られます。
配偶者、扶養対象の子どもにもL滞在許可が発行されます。ただし労働許可は本人に対するもののみで、配偶者が就労するには、別途スポンサーの支援を得た上で州当局に申請を行い、労働許可を取得する必要があります。
2014年現在、高度人材に対するL滞在許可の年間新規発行数は全国で5,000に制限されています。
B滞在許可(長期滞在許可)
雇用先がスポンサーとなって州当局に申請を行い、1年以上の長期滞在が許可された場合に発行されます。1年間有効で更新回数の制限なし。L滞在許可証と同様、スポンサー企業と雇用関係がなくなった場合には滞在許可は取り消され、住居は雇用先と同一州に限られます。
配偶者、扶養対象の子どもにもB滞在許可が発行され、配偶者も就労が許可されます。
L滞在許可と異なり、B滞在許可申請時には犯罪経歴も調査されます。日本在住者がスイスでB滞在許可を取る場合には、日本の警察当局から犯罪経歴証明書の発行を受け、それを州の移民局に提出することになります(参考: 警視庁 渡航証明の申請について)
2014年現在、高度人材に対するL滞在許可の年間新規発行数は全国で3,500に制限されています。これにはL滞在許可からB滞在許可に切り替える数も含まれます。
C滞在許可(定住許可)
B滞在許可を取得して継続して10年間以上スイスに滞在した場合、もしくは継続して5年間以上滞在し、かつスイス社会に良く統合されていると認められた場合に発行されます。雇用先や住居の制限がなくなり、経済的にはスイス人と同等の権利が認められます。
非EU/EFTA国出身者がスイスの企業に派遣、もしくは雇用されて就労する目的で滞在許可を申請する場合、まずはL滞在許可が発行され、1年もしくは2年後にB滞在許可に切り替えるケースが多いようです。受け入れ側で特に欲しいと思った人材には、最初からB滞在許可を発行するケースもあります。
私が2011年にチューリッヒに赴任した際には、まず1年有効のL滞在許可が発行され、その有効期限(1年)が切れる1ヶ月ほど前に「B滞在許可に切り替えるので必要書類を持ってきてください」という手紙が送られてきました。ただし、元々1年間の海外赴任だったので、更新せずに帰国しましたけど。
実生活上の話
短期滞在で経済基盤がスイス外にある場合には、L滞在許可とB滞在許可の差は大きくありません。しかし経済基盤をスイスに移すとなると、L滞在許可では次のような場面で制約を受けます。
- クレジットカードの発行を受けにくい
- 家を借りにくい
- 配偶者が職につけない
L滞在許可はあくまで短期滞在許可で、経済的には不安定だと判断されがちです。たとえ雇用契約に期限の定めがない正社員だったとしてもL滞在許可の延長が認められなかったりB滞在許可に切り替えられないリスクがあり、その場合には帰国する以外の選択肢はありません。
大家側としては、L滞在許可保持者に物件を貸した場合は賃貸契約が短期で解約となるリスクが相対的に高くなるため、複数の入居申し込みがあればB/C滞在許可保持者を優先するのは自然な発想です。
また配偶者が職につけないのも長期になると経済的にも影響が大きいですし、人間関係を築いていく上でも、仕事を通じて人と知り合う機会が制限されます。
