スイスでの落とし物の探し方
落とし物が戻ってくるまで
スイスで落とし物をすると、落とし物から持ち主が特定できる場合には、拾った人が落とし主に直接連絡してくることがあります。日本と同様、拾ったものを最寄りの警察署などに届けることも可能ですが、この方法だと引き渡しまで数日かかるため、個人間でやり取りしたほうが早いという実用的な理由。
この場合、拾った人と待ち合わせをして落とし物を受け取り、その際にある程度の謝礼を渡します。法律上、拾得者は遺失物の10%の価格を請求できることになっており、現金が入った財布を落とした場合には、その現金の10%強を謝礼として渡すことが多いようです。
一方で、個人での受け渡しをしたくない場合や、落とし主を特定できない場合には、まず落とし物は最寄りの警察署、市町村役場や鉄道駅に届けられ、その後で主要駅などにある遺失物取扱所(ドイツ語 Fundbüro)に集められます。
多くの公共交通機関や地方自治体はオンライン紛失物管理システム easyfind.ch を利用しており、遺失物取扱所に集められた落とし物は一括してこのシステムに登録されます。登録された落とし物情報は、遺失物取扱所に出向いて係員に調べてもらうこともできますし、個人で easyfind.ch の Web サイトで検索することも可能です。
見つかった場合には、本人確認の上、拾得者への謝礼と遺失物取扱所の取扱手数料(例えばスイス鉄道では 20 SFr, 定期券を持っていると割引あり)を支払い、落とし物を受け取ることになります。
easyfind-Code
遺失物取扱所を経由すると、落とし物がシステムに登録されて検索可能になるまで2,3日かかりますし、鍵束など姿形が似ているものだと、検索しても条件に合致する紛失物が多くなりがちで、見つけ出すのも大変です。かといって、拾得者が連絡を取れるよう、あらゆる物に個人情報を書いておくのも現実的ではありません。
この問題を解決するために、easyfind.ch では easyfind-Code というサービスを提供しています。利用したい人は、次の手順を踏みます。
- easyfind.ch のサイトから英数字8桁のコード入りのタグやシールを購入し、それを紛失する可能性のあるキーホルダーなどに取り付けておきます。
- easyfind.ch のサイトで、連絡先と購入した商品についていたコードを登録します。
落とし物を拾った場合、拾得者は easyfind.ch のサイトからコードを入力することで持ち主に SMS, メールで連絡をとることが出来ます。
落とし物が遺失物取扱所に届けられた場合には、システムに落とし物の情報が登録されると同時に持ち主に連絡が届きます。
キーホルダーに取り付けるタグの場合は、拾得者は最寄りのポストに投函することも可能です。この場合、鍵は easyfind.ch の集配所に集められ、そこから所有者宛てに郵便で送られます。
費用は商品の材質・形状ならびに郵便配送サービスが含まれているかによりますが、シール状のもので安くて1枚約3.5SFr、キーホルダーに取り付ける金属製のタグだと約35SFrで、有効期限は2年です。その後は買い替えるか、もしくは有料で期間を延長できます。
私の場合
幸いこれまで遺失物取扱所のお世話になったことはありませんが、私がオフィスの中で鍵を落として探し回ったり、子供が電車内に物を忘れることがあったため、いくつかタグを買って付けておくことにしました。
大人は鍵束とスマートホン、子供はリュックサック、スキーウェア(冬場は登下校でも着用する)、タブレット、電子書籍端末といったところです。
海外レンタカー保険
先日、海外を旅行した際にレンタカーを当て逃げされて修理代金を支払うことになり、あらためて海外のレンタカーの保険契約について調べました。レンタカー会社によって用語は異なりますが、基本的な考え方は同じです。
レンタカーの保険は、カバーする対象によって大きく3つに分類できます。
- 事故相手に対する損害
- 借りている車両に対する損害
- 借りている車両に搭乗している人に対する損害
国や地域によって法規制が異なり、一部の保険は強制加入となっている場合があります。
事故相手に対する損害
交通事故を起こして相手に怪我を負わせたり、相手の車や建物等を傷つけた場合の損害を補償します。
日本では対人対物賠償保険、英語では LS (Liability Insurance) と呼ばれています。多くの地域では自動車のナンバープレート取得もしくはレンタカーとしての貸し出しに際して、LS をかけることが法的に義務付けられているため、レンタカー基本契約に含まれています。
ただし地域によっては LS が強制加入でなかったり、強制加入であっても補償額が低いことがあり、その場合には追加の LIS (Libabillity Insurance Supplement) を購入することで十分な補償額を確保する必要があります。
借りている車両に対する損害
借りた車両は元と同じ状態で返却する必要がありますが、それが自分の責任下で不可能になった場合に、車両の修理もしくは買い替えのためにかかる費用を保障します。
日本では車両保険に相当します。
事故でも相手が100%悪い場合以外は自己過失割合分は補償する必要があり、また当て逃げされて相手が分からない場合や車を盗まれた場合には全額を借り主が補償する必要があります。
日本ではレンタカーの基本契約に含まれていますが、海外ではオプションとしているケースもあり、また保険も 3 つに分かれています。
- 破損、紛失を補償する CDW (Collision Damage Waiver)
- 盗難のみを補償する TP (Theft Protection)
- 両方を補償する LDW (Loss Damage Waiver)
地域によって保険会社が CDW と TP を個別に提供するか、それとも全てのリスクをカバーする LDW を提供するかを決めているようです。
いずれの場合でも免責額が設定されていることが一般的で、一定額までは借り主が負担する必要があります。その際には、合わせて免責額を引き下げる保険を SCDW (Super CDW) や SC (Super Cover) という名前でオプションで提供している場合があります。
また欧州ではガラス、車両下部に対する損害は CDW や LDW でカバーされない事が多いため、たとえば飛び石でフロントガラスにヒビが入ったような場合、修理費用は全額が借主負担となります。天災による損害がカバーされていないケースもあるので、確認が必要です。
借りている車両に搭乗している人に対する損害
レンタカーを借りて運転している本人ならびに同乗者が、怪我を負ったり、後遺障害が残ったり死亡した際に支払われる保険です。
日本では人身傷害補償に相当しますが、運転手だけが補償される PI (Personal Insurance) と同乗者も合わせて保証される PAI (Personal Accident Insurance) があります。ただし怪我の治療費は少額で、入院したら全く足りません。
ドイツ語 telc B1 受験
スイス定住許可 (Niederlassungsbewilligung) 申請の準備として、ドイツ語の資格検定試験を受けてきました。
チューリッヒ州在住の日本人は5年間連続して滞在し、かつ一定の条件を満たすと定住許可を申請できますが、その条件の一つが語学力。州が認めるドイツ語検定試験で中級程度 (CEFR B1 レベル) のドイツ語能力を証明する必要があります。私は今年の末でスイス滞在5年になるので、そこで滞在資格を現在の初期滞在許可 (Aufenthaltsbewilligung) から定住許可に切り替えようと考えています。
チューリッヒ州が認める検定試験は何種類かあり、私が受験したのはドイツの公益法人 telc が各地のドイツ語学校に委託して行っている試験です。
これは実施箇所が多く試験料も比較的安いのですが、手続きに時間がかかります。申込締切は試験日の1ヶ月以上前、試験結果の確定・証明書の発行には5〜6週間かかります。また受験の申込みには telc は関知せず、受験者が語学学校に直接申し込む形になります。したがって、語学学校を探すところから始めて証明書を入手するまでに3ヶ月は見込んでおく必要があります。
テスト内容は開示禁止ということで触れませんが、形式に関してはtelc が公開している模擬試験そのままでした。たとえばリスニング問題では1問目は1度しか聞けないが、2問目と3問目は2度放送されるといった点まで同じなので、事前に模擬試験を解いておくと実際の試験の際に問題文を読む手間が省けます。
なお telc の試験は費用が一律ではなく、語学学校が独自に設定できます。チューリッヒ州では 240 CHF 前後が一般的なところ、ドイツだと 120 EUR 程度に設定している学校が多く、交通費を考えてもドイツで受験したほうが安価です。
追記
受験後、約6週間後に試験結果が郵送されてきました。無事合格。
子どもと日本語
外国で子どもを育てていると、子どもに日本語をどこまで勉強させるべきか、また自分はどこまで現地語を勉強するべきかを意識させられます。
私が住んでいるスイス・チューリッヒ州では、現地の人はドイツ語の方言であるスイスドイツ語 (Schweizerdeutsch) を話し、書き言葉や教育の現場では標準ドイツ語 (Hochdeutsch) が使われ、またドイツ語を母語としない人とは英語でやり取りすることが多いです。
子どもが小さく親と過ごす時間が長い間は親の母語である日本語が強くなり、親との会話や日本語を話す子ども同士の会話は日本語になります。しかし初等教育が始まると、日本語よりもスイスドイツ語に触れる時間の方が多くなり、また学習も標準ドイツ語で行われるために、限られた日常生活の場面でのみ使用される日本語よりもドイツ語の方が次第に強くなってきます。家庭でも兄弟同士が現地語で話し始めたり、親への返事もドイツ語の単語が混ざったり。
この状況下で日本語を維持するためには、親も子どももそれなりの時間と労力を費やす必要がありますが、現地校での生活が忙しくなってくるに従い徐々に疑問が湧いてきます。
日本語の学習に時間を割くより、現地語を母国語とする子どもと比べると相対的に弱くなりがちな現地語の習得に時間を割くべきではないか?
日本語習得のために投資をすると決めたのであれば、何を目標に、どのように日本語を学ぶべきなのか?
このような疑問に対して、第二言語習得・バイリンガル教育の専門家の立場から過去の研究成果と理論をコンパクトにまとめ、言語形成期の子どもを持つ親向けのアドバイスとして紹介しているのが「言葉と教育 海外で子どもを育てている保護者のみなさまへ」。
大人が外国語を学ぶ場合と異なり、子どもが言語を学ぶ際には単語そのものの意味(熱いとはどういこと?)も学習し、またその言語を使って、より高度な概念や論理的思考力を組み立てていく必要があります。その際に親が自信をもって使える言葉で会話することは、子供の学習を助け、また子供の理解の程度を細かく把握できることに繋がります。
加えて親との意思疎通がスムーズに行えることは精神衛生上も重要で、ここでも親の母語を使えることは大きなアドバンテージになります。子どもが大きくなってくると、言葉の表面的な意味だけでなく、そこに込められたニュアンスや裏の意味も理解する必要がありますが、これは母語でないと誤解が生じがち。
子育てや教育に関しては実体験に基づく話を耳にする機会も多いですが、本を読んでいると状況は千差万別なことに気づきます。子どもの年齢、両親の母語、日本への帰国の可能性、また現地校におけるサポートの有無など、様々な要因によって適切な対処方法は変わってくる。海外で子育てを行う人には、ぜひ読んで欲しい一冊。
同じ著者による、より広範な研究成果をまとめた書籍が「完全改訂版 バイリンガル教育の方法」。こちらは言語形成期の子どもがいる海外在住者だけでなく、日本における子どもの外国語教育や外国人児童の受け入れなどもカバーし、またアドバイスの背景にあるデータや研究成果にも詳しく触れています。
チューリッヒ市の移動観覧車
毎年春になると、チューリッヒ湖に面した広場ビュルクリプラッツ (Bürkliplatz) に移動観覧車がやってきます。午後から深夜までの営業で、夜になると支柱に備え付けられた LED が賑やか。4月末になるとビュルクリプラッツから姿を消して、また別の街に行ってしまいます。
今日はたまたま子供が市内に出てきていたので、会社帰りに合流して一緒に乗ってきました。
チューリッヒのレジャー施設は、恒久的なものではなく移動式のものも多いです。チューリッヒは、一見、美しいけど小さくて退屈そうな街だと感じますが、一年を通して住んでみると意外と変化に富んでいます。
SNSやめました
Google+のサービスが2019年4月2日に停止されるのに伴い、SNS のアカウントを全て消すことにしました。正確に言うと Facebook は数年前にアカウントを削除済みで、Twitter などいくつか他の SNS を Google+ 終了後の移行先として検討したものの、どれも私の生活パターンには合わないということで使用しないことにしました。
今後は、不特定多数に向けた文章はこちらに書きます。
思い返すと、大学生時代には Web 日記と称して公開で日記を書いていました。当時は FreeBSD というオペレーティングシステムを使っていたため、その環境でアプリケーションをインストールしたり設定する際の覚書(なかなか一筋縄でいかない場合も多かった)や、読んだ本の感想などを書き連ねていた記憶があります。
SNS 時代を経て、昔に戻る感じですね。
私はこうしてGoogleスイスに入った
グーグル(東京)第1期
私は2015年からスイスのチューリッヒにある Google Switzerland GmbH でソフトウェアエンジニアとして働いていますが、もともとは東京のグーグル株式会社の中途採用組です。入社は2008年で、職種は今と同じソフトウェアエンジニア。まだ合同会社ではなく株式会社でオフィスは渋谷のセルリアンタワーにあり、従業員も少なくてエンジニアはみんな顔見知りという時代でした。
携帯電話は iPhone が前年に発売されたばかりで、Android は同年9月に初公開。まだ開発プラットフォームは圧倒的にデスクトップのWebでした。
ところで本社から離れた小規模オフィスでは、その会社の文化や仕事の進め方を実感しづらいという問題があります。
そこで当時は新卒・中途採用を問わず、日本オフィスで採用された社員を研修ということでマウンテンビュー本社に数カ月送り込んでいました。そこで、今後一緒に仕事をするチームと人脈を作るとともに、社内の雰囲気を体感して帰ってきます。
毎週金曜日に行われていた TGIF という全社ミーティングで CEO のエリック・シュミットや創業者たちがフランクに質問に答えていたり、社内で立ち話から技術的に深い議論が始まってプロジェクトが動き出すのを見るのは、実際に目の当たりにすると衝撃でした。
さらにこれを補強するものとして、リバース・アンバサダーというプログラムがありました。アンバサダーは通常「大使」と訳されますが、これは本国からやってきて現地に文化・情報を伝える役割を果たします。リバース・アンバサダーはその逆で、小規模なオフィスから Google の文化や仕事の進め方が定着している大規模オフィスにやってきて、一定期間チームの一員として仕事をし、文化や経験を持ち帰ることが期待されています。
Google(チューリッヒ)第1期
私は当時はチューリッヒのチームと密に仕事をしていたこともあり、東京オフィスのサイトリードと話をした折に「リバース・アンバサダーとしてチューリッヒオフィスに行ってみたい」と伝えたところ、それは良いと後押し。先方のチームのマネージャーも快諾してくれて、すぐに話がまとまり、チューリッヒ州政府から労働許可・滞在許可が発行されるのを待った上で2011年8月から1年間の海外赴任となりました。
なお手続きの最中に妻の第一子妊娠が判明し「海外出産か。出産後はしばらく動くのが大変だろうから、その前に欧州をいろいろ旅行しておこう」と思った記憶があります。
8月からチューリッヒで生活を始め、産婦人科医を見つけて生活も落ち着いたら、実際に良く旅行にでかけました。帰国日程が決まっていると、それまでの間に予定を詰め込みがちです。
手がけていたプロジェクトが無事に一段落したところで、妻が出産。産休が明けてからは別のプロジェクトを始め、これもカタがついたところで海外赴任期間が終了して帰国となりました。
グーグル(東京)第2期
私が当初チューリッヒで行っていたプロジェクトは、当時は日本だけ特別なシステムを使っていたのを止めて、全世界共通のシステムに載せ替えるという仕事です。このプロジェクトが成功裏に終わったということは、2012年に日本に帰ると、以前に私がやっていた仕事は跡形も無くなっているということです。
さて社内就職活動かと思っていたら、ちょうど古くなっていたAndroid版のグーグルマップを1から作り直すプロジェクトが立ち上がるということで、そのうち一部の機能を担当するエンジニアリング・チームの立ち上げを行うことになりました。何もないところから作るのは楽しかったですが、一方で安定した開発のための土台が無く、スケジュールも厳しかったため、辛い面もありました。最終的にはチームの頑張りもあって、時代に合ったデザインの良い製品が出せたと思います。
その後は開発体制も安定し、同じチームで引き続き新機能の追加などを行っていました。
さて、もともとはデスクトップ向けWebプラットフォームでの開発が主だったGoogleですが、この頃にはモバイル、具体的にはAndroidアプリケーションへの移行が誰の目にも明らかになります。そこで、各地でWebの開発チームが縮小され、Androidアプリケーション開発への移行が行われました。この一環として、東京で私のチームが担当していたプロジェクトはチューリッヒとシアトルに移管されることに決まりました。
会社からの選択肢
- 東京オフィスに残り、別のプロジェクトに移る
- 同プロジェクトに残り、チューリッヒもしくはシアトルに移る
多くのチームメンバーは東京に残りましたが、私は後者の選択肢をとって Google Switzerland GmbH に転籍して今に至ります。この時にシアトルに行った同僚が1人いて、また、この時点では東京残留を決めたものの、再度のプロジェクト統廃合時にチューリッヒに転籍することに決めた同僚も1人います。
Google(チューリッヒ)第2期
2015年の転籍後はチューリッヒでAndroid版グーグルマップの開発を行っていましたが、数年後に今度はプロジェクトがオーストラリアのシドニーに移管されることになりました。シドニーも出張で行った限りでは良い場所でしたが、さすがに数年単位で別の国に行くのは辛いので、今回はチューリッヒに残ることにしました。
最初はマップのデータ解析関係のプロジェクトに移り、それから2018年にAndroid OS開発に移りました。こうして見ると、私は全く関係ないプロジェクトに飛び込むのではなく、それまでのプロジェクトと何らかのつながりがあるプロジェクトに移ってますね。
まとめ
Googleでは形式上、従業員は各現地法人に雇用される形となりますが、実際には「現地採用」「本国採用」といった区別はありません。ソフトウェアエンジニアは単にソフトウェアエンジニアで、プロジェクトや国をまたいでの移動も比較的簡単です。
また社内公用語は英語で統一されており、社内文化や仕事の進め方も基本は同じため、出張や転籍で別のオフィスで仕事をすることになっても戸惑うことはないので楽です。
転職する場合、国・プロジェクト・職種が変わる可能性がありますが、3つ全て同時に変わるより1つずつ変える方が負担が少ないです。将来アメリカでソフトウェアエンジニアとして働きたいという場合でも、とりあえず東京オフィスで馴染んでから転籍するというのは現実的な選択肢だと思います。
スイスで鉄道・バスを使って旅行する際の荷物配送サービス
スイスは公共交通機関が整備されているので、鉄道・バスを使って国内旅行する機会も多いですが、その際の荷物について。
公共交通機関はスペースに余裕がある作りになっているので、自分で持ち運べる範囲であればスーツケースやスキーを持ち込んでも問題ありませんが、荷物が多い場合には別便で荷物を送ることができます。
いくつかのサービスがありますが、いずれも前提として「本人が公共交通機関を使って移動する際に、別便で荷物を送る」もので、本人が自家用車などで移動する場合には利用することはできません。事前に有効な切符を購入しておき、荷物預入時に提示する必要があります。
(なお以下の記述は2018年8月現在の情報です。商品構成やサービス内容はよく変わるので、最新版は SBB の公式ページ SBB Reisegepäck で確認してください)
商品種別
商品種別にかかわらず、送料は荷物1つあたり12 CHF で重量は 25kg までです。
Reisegepäck - Bahnhof zu Bahnhof
最も基本的な商品で、有人の鉄道駅ならびに主要バス停間で荷物を送ることができます。
原則として 19:00 までに駅の窓口で荷物を預けると、翌々日の9:00に指定した駅で荷物を受け取ることができます(ただし駅によって営業時間が短縮されている場合あり)。
駅で荷物を預けると預り証が発行されるので、それを持って受取駅に行きます。
Reisegepäck - Baunhof zu Tür
有人駅・バス停から指定した住所まで送ることができます。
原則として 19:00 までに駅の窓口で荷物を預けると、翌々日に配送となります。配送時間は午前(7-12時)、午後(12-18時)、夜間(18-23時)で指定可能。
送料に加え、固定で手数料が 25 CHF かかります。
Reisegepäck - Tür zu Bahnhof
指定した住所に荷物を引き取りに来てもらい、指定の有人駅・バス停まで配送してもらいます。
荷物集荷2日前の20時までに申し込みを行い、集荷日の翌々日9:00から指定した駅で荷物を受け取ることができます。集荷時間は午前(7-12時)、午後(12-18時)、夜間(18-23時)で指定可能。
送料に加え、固定で手数料が 25 CHF かかります。
Reisegepäck - Tür zu Tür
指定した住所から指定した別の住所まで配送してもらうサービスです。
荷物集荷2日前の20時までに申し込みを行い、集荷日の翌日に配送となります。集荷時間・配送時間とも午前(7-12時)、午後(12-18時)、夜間(18-23時)で指定できますが、夜間集荷と午前配送は組み合わせることができません。
送料は固定で 40 CHF の手数料がかります。
Reisegepäck Express - Tür zu Tür
急行便で指定した住所から指定した別の住所まで配送してもらうサービスです。
荷物集荷2日前の20時までに申し込みを行うと、当日の6-9時に集荷、同日18-23時に配達となります。利用できる地域に制限があり、主要都市ならびに主要スキーリゾート周辺に限られます。
送料に加え、固定で手数料が 70 CHF かかります。
日本からスイスへの荷物発送
背景
海外に住んでいると、しばしば日本との間で手紙や荷物をやりとりする機会が出てきます。慣れれば大したことではないのですが、利用できるサービスの種類や手続きなどが国内便と異なり最初は戸惑ったので、情報をまとめておきます。
情報は2017年12月時点のもので、日本からスイスへの発送について解説しています。所要日数については関東近郊からの発送を想定しており、離島などでは長くなることがあります。
時間がない人向けに
郵便局に封筒に入れた文書もしくは梱包した荷物を持って行き、次の情報を局員に伝えると適切な発送手段を選択してくれます。記入が必要な書類(送付状、税関申告書、インボイスなど)を指定されるので、それに記入して送料を払えば終了です。
- 内容物の明細と金額
- 内容物は英語表記が必要。代表的な品目については郵便局が翻訳例を提供している。
- 荷物の追跡、ならびに郵便事故時の補償は必要か?
- 稀に郵便事故で送付物が紛失する可能性あるが、追跡不要とした場合には補償はない。
- 補償が必要な場合には、補償額(内容物の金額が上限)
- 所要日数(営業日)
- 3日
- 6日
- 2週間〜2ヶ月
- 1〜3カ月
発送に必要な書類や、損害賠償保険金額の上限などは日本郵便の国・地域別情報(国際郵便条件表)に詳細があります。
日本から食材などを取り寄せる場合、日本在住の肉親や知人に依頼して購入・転送してもらうことも可能ですが、明細の作成や郵送手段の選択などは慣れないとやや面倒です。海外への荷物転送を専門に行っている業者もあるため(御用聞キ屋、転送コムなど)、それらを利用するのも手です。
2020年6月21日追記 2021年1月1日以降は手書きのラベルは使用できなくなり、郵便局が提供する国際郵便マイページサービスで内容物などの情報を入力してラベルを作成する必要があります(参考:通関電子データ送信義務化について)。
国際配送サービス概要
サービス提供事業者
日本から海外に手紙や荷物を発送する場合、利用できる手段は大きく
- 郵便局が提供する国際郵便
- 民間事業者の提供する国際輸送サービス
に分けられます。
国によって事情が異なるのですが、日本とスイスは郵便の信頼性が高いため、個人利用であれば国際郵便を使うのが安価で便利です。
民間事業者ではヤマト運輸、佐川急便、DHL、FedEx、TNT などがサービスを提供しています。しかし、いずれも継続的に発送量が見込める業務利用を想定しており、個人での利用は受け付けていない、あるいは受け付けていても割高になります。
国際郵便商品ラインアップ
国際郵便で荷物を送る場合、同じ品物でも複数の手段で送ることが可能で、場合によっては配達が遅い手段の方が送料が高くなるなど分かりにくい点があります。一度、サービスを提供する側からの視点で整理しておくと、このあたりの事情が理解しやすくなります。
国際郵便のサービスは日本の郵便局が独自に決めているのではなく、万国郵便連合 (UPU) が所管する万国郵便条約に基づいて定められています。そのうち、実体のある物の配送に関わる商品は次の3つです。
- 国際通常郵便
- 国際小包郵便
- 国際スピード郵便 (EMS)
原則として、文書は国際通常郵便、荷物は国際小包郵便という棲み分けです。
しかしながら国際小包郵便はある程度の分量・価格のものを想定したサービスのため、それほど嵩張らずに安いものを送るには割高になります。そこで、軽量・安価な荷物に関しては限定的に国際通常郵便でも扱えることとし、割安な送料でサービスを提供しています。
最後の国際スピード郵便 (EMS) は内容物に関わらず利用でき、配送は最優先、かつ郵便事故時の損害保険も高めに設定できるサービスとなっています。ただし利用できる国が限られており、料金も高めです。なお日本からスイスへの発送では利用可能です。
それぞれの商品について詳細を見る前に、まず、金額に使われる SDR という単位と、すべての商品に共通する国際配送の過程について見ていきます。
SDR
国際郵便では、郵便事故時の賠償金額上限などを定める際に SDR という単位を使います。1SDR が何円に相当するかは毎年見直されますが、2017年1月時点では 1SDR = 155.9674円となっています。
国際郵便の配送過程
国際郵便の配送は日本国内区間、国際区間、そして最後のスイス国内区間の3区間に分けられます。
- 郵便物をポストに投函、もしくは郵便局で引き渡す。
- 日本国内区間
- 日本国内の国際交換局に到着。輸出手続きを行う。
- 国際区間
- スイス国内の国際交換局に到着。輸入手続きを行う。
- スイス国内区間
- スイス国内の住所に配達される。
原則として日本から海外に荷物を送る際には、差出人が税関に輸出申告を行い、税関による審査・検査を経て輸出許可を受ける必要があります。ただし国際郵便は個人・小口での利用が多いことを鑑み、価格が20万円以下で輸出規制のない物を送る場合には簡易な方法が認められており、必要な手続きも郵便局側が無料で行います。
なお手続き自体は郵便局側が行いますが、そのために必要となる書類の作成は差出人の仕事です。具体的には税関申告書という書類に郵便物の内容・金額等を記入して送付物に貼付します。
税関申告書には簡易版の CN22 と一般的な CN23 があり、送付方法や金額によってどちらを使うかが決まります。また送付方法によっては郵便局に用意されている送り状に差出人・宛先の情報を記入して荷物に貼付しますが、この場合は送り状に税関申告書が含まれているため、税関申告書を別途用意する必要はありません。
スイス公共交通機関 子供向け定期券
スイスで公共交通機関を利用する場合、6歳以上になると切符・定期券の購入が必要です。普通に買うとかなり高額ですが、特定の人(両親など)と頻繁に移動する場合には、切符に代えて安価な子供向け定期券を買うことができます。
通常の定期券と異なり、この子供向け定期券は単体では効力を持ちません。
Junior-Karte
- 子供が両親と一緒に公共交通機関を利用する場合、両親が有効な切符・定期券を持っていれば、Junior Karte を持った子供は同一区間を無料で利用できる。
Kinder-Mitfahrkarte
- 子供が定期券に記名された人と一緒に公共交通機関を利用する場合、記名者が有効な切符・定期券を持っていれば、Kinder-Mitfahrkarte を持った子供は同一区間を無料で利用できる。
Junior-Karte には子供と両親の名前が記入されており、2枚発行されます。1枚を父親、もう1枚を母親が持って使います。Kinder-Mitfahrkarte は記名式のため、たとえばその子が祖父のみ、もしくは祖母のみと公共交通機関を利用する場合、祖父とその孫、祖母とその孫の組み合わせで1枚ずつ定期券が必要となります。
いずれも1年間有効で、Junior-Karte は2枚セットで30CHF、Kinder-Mitfahrkarteは1枚30CHFですが、期間限定で2018年3月までは半額の15CHFで購入できます。
公式ページ: Junior-Karte und Kinder-Mitfahrkarte
先日、チューリッヒ中央駅で Junior-Karte を購入しましたが、窓口に行き、子供の年齢を確認できる書類(パスポート、滞在許可証など)を提示、両親の名前と住所を伝えるとその場で発行されました。また有効期限開始日を後日とすることも可能なので、6歳の誕生日を迎える前に購入することも可能です。
なお Junior-Karte の券面上には子供の氏名、住所、生年月日、両親の氏名が印刷されており、そこに両親が署名します。なお大人向けの定期券などと異なり、本人の写真などは必要ありません。
