2016年1月28日木曜日

チューリッヒ近郊の日本語補習校

チューリッヒ日本語教室とツーク日本語学校を見学してきました。

いずれも、日本語を母国語としつつ現地校(ドイツ語)に通う児童向けに日本語と日本文化を教えるもので、州政府教育庁から Unterricht in heimatlicher Sprache und Kultur (継承語と継承文化授業)として認可を受けています。

 参考:チューリッヒ州政府による継承語と継承文化授業に関する解説 日本語PDFあり

水曜日午後に開講されており、授業は週に80分から90分程度。加えて宿題が出ます。現地校で受ける教育が主、それに対する補習校という位置づけです。受講すると選択科目として「日本語」を履修したという扱いになり、小学校からは現地校の成績表にも記載されるとのこと。

どちらの学校も目標とするところは近いですが運営体制や方針には差があるので、Web ページなどで情報を集めると共に実際に見学に行って教員と話してみることが望ましいです。

なお、両校とも日本の学校教育法が規定する学校、あるいはそれに準ずる教育を行う施設として日本の文部科学省から認可を受けているわけではないので、履修して単位を取得しても日本における卒業資格とはみなされません。
たとえば、日本の高校に入学するには日本の文部科学省が認める中学校相当の教育課程を修了する必要がありますが、ツーク日本語学校の中等部過程を修了しても、これは認められません。もっとも、補習校程度の学習時間で日本の教育指導要綱で定められた学習内容(理系科目はともかく、日本地理、日本史、公民、古典、漢語など)をこなすのは難しいため、たとえ制度的に認められたとしても、日本の学校で学んだ生徒・児童と同じ土俵で競うのは非現実的ですけど。

最初から一定期間で帰国して日本の学校に入れることが想定される場合は、現地校+日本語補習校ではなく、日本の学習指導要領に従った教育を行っており、日本で有効な卒業資格を得られる日本人学校全日制過程に通わせることになります。チューリッヒ州だとウスター市にチューリッヒ日本人学校があります。この場合のデメリットは、現地社会への統合、ならびに現地での進学が難しくなること。
一方、スイスに長期間在住する想定で、日本語能力を伸ばし日本文化に関する理解を深めさせたい場合には、現地校に通わせつつ日本語補習校に通わせることになります。現地校だけの場合と比べると授業と宿題が増えるため両親と子供の負担が増えますが、サッカーや楽器などの習い事をしてると思えば似たようなものでしょう。

補習校
全日制

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